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遂に中国に「ノー」を突き付けた台湾。蔡英文勝利が意味するもの

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台湾の人々は真の敵が誰であるかが解った。
その結果が今回の選挙結果だ。
多くの日本人もシナ共産党の真の姿に早く気づいてほしい。


遂に中国に「ノー」を突き付けた台湾。蔡英文勝利が意味するもの

まぐまぐニュース! / 2016年1月21日 19時30分
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先日の台湾総統選挙で蔡英文氏が大勝利を収め、初の女性総統が誕生しようとしています。親中派とされた現職の馬英九氏に対し、蔡英文氏は台湾独立志向の親米・親日家と言われており、若者を中心に絶大な支持を受けて当選しました。これを受けて、今後日本の対台湾政策はどのように変わっていくのでしょうか。そして、台湾独立の現実味は? 無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者、北野幸伯さんが鋭い意見を述べています。

台湾総統選、蔡英文勝利の世界史的意味

皆さんご存知のように、台湾で16日、総統選挙がありました。
蔡英文主席、地滑り的勝利…台湾総統選まとめ
読売新聞1月17日(日)20時39分配信
 
【台北=比嘉清太】16日の台湾総統選で初当選を果たした最大野党・民進党の蔡英文(ツァイインウェン)主席は、得票数、得票率ともに同党候補で過去最高で地滑り的な勝利を収めていたことが、台湾・中央選挙委員会のまとめからわかった。
 
台北市では民進党総統候補者として初めて得票率が5割を上回った。
 
今回の総統選で蔡氏は、民進党が地盤とする南部だけでなく、国民党の地盤だった北部でも朱立倫(ジューリールン)氏の得票数を上回った。
 
最終的に22の自治体のうち、一部の離島などを除く18自治体で勝利を収めた。
今回は、蔡英文さん勝利の「世界史的意味」を考えます。

蔡英文さんとは?

まず、蔡英文さんについて知っておきましょう。
1956年8月31日生まれ。現在、59歳。台湾大学法学部卒業後、渡米。コーネル大学で法学修士を取得。その後イギリス、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで法学博士。帰国後、国立政治大学、東呉大学の教授。
なんか、メチャクチャ才女のエリートですね。
李登輝さんが総統だった1990年代、蔡英文さんは、経済部・国際経済組織首席法律顧問、経済部貿易調査委員会委員、行政院大陸委員会委員、行政院公平交易委員会委員などを歴任。30代半ばから40代半ばにかけて、すでに政策に深く関わっていたのですね。
さて、李登輝さんは国民党ですが、2000年には、民進党政権が誕生します。蔡英文さんは、台中関係の政策を担当する行政院大陸委員会・主任委員に就任。04年、民進党から立法委員(=議会)選挙に出馬して当選。06年1月から07年5月まで行政院副院長(=副首相)。10年前には、すでに行政院副院長(=副首相)をされていたのですね。
民進党が再び野党になった08年、同党12代主席に就任。2012年、再選を目指す国民党の現職・馬英九さんと台湾総統選を戦い、敗北。この結果をうけ、党主席を辞任。しかし2014年、党主席に返り咲く。2016年1月16日、台湾総統選で勝利。今年5月、初の女性総統になる予定。
次期総統になる民進党蔡英文さんと、現職の国民党馬英九さん、最大の違いはなんでしょうか? そう、「中国に対する姿勢」が違うのですね。馬さんは、あまりにも急速に中国に接近していった。「このままでは、中国に併合されちゃうよ!」という危機感が台湾人の中に形成されていった。
1月16日に行われた台湾総統選挙の結果、野党・民進党の蔡英文主席が圧勝、総統就任式が行われる5月20日に台湾の政権交代が実現する。
 
選挙戦最大の争点は、中台関係-台湾は中国とどう向き合うべきか-だったが、台湾は有権者の総意として、馬英九現政権の急速な対中接近路線に「ノー」を突き付けたわけだ。

(時事通信1月19日)
「馬英九現政権の急速な対中接近路線に『ノー』を突き付けた」
これが、台湾総統選、最大のポイントですね。

変わる流れ

ソ連崩壊で冷戦が終結した1991年末から2008年までを、「アメリカ一極時代」と呼びます。「100年に1度の大不況」が起こった08年から、世界は「米中二極時代」に突入しました。しかし、「二極」時代の中身を見れば、沈むアメリカ昇る中国という関係。
ところが、2015年3月から流れが変わってきます。日本以外の親米諸国がすべて裏切った「AIIB事件」で、アメリカは「真の敵がどこにいるか?」をはっきり悟った。
以後、アメリカは、ロシアと和解し「ウクライナ問題」を事実上解決。シリア、IS問題を他の大国に任せ、イラン制裁を解除した。年初に起こったサウジとイランの「国交断絶問題」に関しても、「仲介するつもりはない!」と宣言している。つまり、アメリカは、中東からはっきり距離をおきつつある
欧州と中東の問題に大方ケリをつけたアメリカは、アジア問題に集中するようになった。去年12月、日韓慰安婦合意を行わせ、「中国の属国状態」にあった韓国を中国からひきはがした。そして、今回、台湾で相対的に「反中」「親米親日の総統が誕生する。「AIIB事件」で世界的に孤立したアメリカは、韓国を取り戻し、台湾を取り戻しつつある。
そして、「中国からアメリカへ」の流れを加速させているのが、中国経済がボロボロになってきたこと。中国政府によると2015年、中国のGDPは、6.9%の成長だったそうです。しかし、この数字を信じている人は誰もいません。なんといっても中国の貿易総額は2015年、前年比で8%減少。輸出は、2.8%減輸入にいたっては、14.1%も減った。
中国政府、GDPについては、いくらでもウソをつけます。しかし、輸出入に関しては、「相手国」がいるので、ウソがつけない。貿易額が8%、輸入が14%減った国のGDPが、「6.9%成長」なんて、ありえないですね。
金の切れ目が縁の切れ目
去年まで中国に「へ~こら」していた世界中の国々も、今年から徐々に態度が変わっていくことでしょう。
馬政権時代、世界もアメリカも日本も、そして台湾人自身も、「台湾独立なんて非現実的すぎる」と考えていた。しかし、風は変わってきています。ソ連が崩壊して、15の共和国が独立をはたした。同じように、中国共産党政権が崩壊する事態になれば、台湾独立も現実味が出てくることでしょう。
しかし、それはまだ先の話。
「独立云々」は抜きにしても、日本は、誕生する蔡英文政権を全力でサポートするべきです。特に経済面のサポートが大事です。『ロシア政治経済ジャーナル』

著者/北野幸伯

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台湾人少女に謝罪を強要。中国が致命的な墓穴を掘った台湾総統選

Tsai_Wahlkampf2
先日行われた台湾総統選で初の女性総統となった蔡英文氏。立法院選でも彼女が率いる、中国からの独立志向の高い民進党が圧勝しました。民進党大躍進の要因は多々ありますが、メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』著者の黄さんは、「周子瑜事件」をめぐり中国が犯した大失態の影響を紹介、併せてこれまで台湾を牛耳ってきた国民党の悪事を糾弾しています。

【台湾】中国が致命的な墓穴を掘った台湾総統選

台湾での総統選挙と立法委員選挙が終了しました。結果は下馬評通りとなり、台湾は事実上中国に別れを告げ、新しい時代へと突入します。得票数は以下の通りです。
<総統選挙得票結果>
蔡英文ペア:6,894,744票 56.1234%
朱立倫ペア:3,813,365票 31.0409%
宋楚瑜ペア:1,576,861票 12.8357%
<立法委員比例選挙政党得票結果>
民主進   :5,370,953票 44.0598% 68議席
中国国民党 :3,280,949票 26.9148% 35議席
親民党   :794,838票   6.5203%  3議席
時代力量  :744,315票   6.1059%  5議席
台湾団結聯盟:305,675票   2.5076%  0議席
その他   :818,180票   6.7118%  2議席
立法院でも民進党は単独過半数を獲得して大躍進、国民党は歴史的大敗となりました。
選挙をめぐっては、とにかくいろいろありました。最も大きな騒動だったのが「周子瑜事件」でした。韓国語を学んで韓国で「TWICE」というグループの一員としてデビューし、人気絶頂にあった16歳の周子瑜(ツゥイ)という女性アイドルが、テレビ番組で台湾の国旗である晴天白日満地紅旗を振ったことが騒動のきっかけです。
その様子を見た台湾出身で北京在住の黄安という往年の男性歌手が、「彼女は台独派だ」と名指しで批判したことで、中国では周さんへの批判が燃え上がり、彼女だけでなく、同じ事務所に所属しているタレントは、すべて中国での活動を拒否されそうになりました。
そこで、事務所は彼女に謝罪会見を強要し、彼女は「大変申し訳ないことをしました。中国は1つであり、私は中国人として誇りを持っている」と謝罪しました。その様子はネットで全世界に拡散されたのです。これに対して、中国の人民日報系である環球時報は、「これは台湾独立に反対する大陸のネット民の勝利だ」と評しました。
しかし、これに対して台湾では「なぜ台湾人が自らの国旗を振ってはいけないのか」という怒りの声が上がり、黄安はもとより、中国に対する嫌悪感が高まりました。要するに、台湾人の「台湾意識に火をつけてしまったのです。
この台湾世論の反発には、昨年11月に習近平主席と会談を行い、「1つの中国」を確認した馬英九も、「彼女は謝る必要はない」と言わざるをえませんでした。
しかし、その甲斐も虚しく、国民党は大敗を喫しました。この事件は台湾国民にとって、中国接近路線だった馬英九政権への拒否感を高める、最後のダメ押しとなりました。
この事件が台湾で頻繁に報じられたことで、蔡英文や民進党の支持率を1~2%程度押し上げたとも言われています。実際、国民党幹部は選挙後、騒動が敗因のひとつとなったと言っています。
中国、習近平政権にとっては、ここまでの国民党の大敗は、悪夢のような事態でしょう。しかし、これも自業自得です。
環球時報が「中国のネットユーザーの勝利」と述べていた勢いはどこへやら、慌てた中国共産党中央台湾弁公室は16日、「一部の政治勢力が国民感情を挑発している。台湾大陸委員会と解決案を議論中」と責任を他に転嫁
また、同日には人民日報も「ツゥイの謝罪は所属事務所が大陸市場のためにやむを得ずした妥協」と、韓国の芸能事務所に責任を押し付け、さらに中国文化省の関係者は18日、「中央政府レベルで特定国、特定所属事務所の芸能人の中国内の活動を一括的に防ぐことができる規定はない」と語り、公演活動に圧力をかけたことはないと弁明火消しに追われました
しかし、中国側は「台独」とのレッテルを貼られた人物を起用するような危険は犯したくないという理由で、彼女とその周囲のタレントを排除しようとしたことは事実でしょう。

中国のネットユーザーを煽り、そのような世論を形成しようとしたことは間違いないでしょう。直接しむけたわけでなくとも、日頃から台湾独立派を「分裂分子」として敵視し、中国人民を啓蒙してきたのですから、黄安が告発したツゥイに対して人民が憤激するのは当然の成り行きです。先の環球時報の勝ち誇ったような「勝利宣言」が、その証拠です。しかし、それが結果的に逆効果になってしまったのだから皮肉なことです。

今後、中国が台湾に圧力をかけるようなことがあれば、この「周子瑜事件」と「民進党大勝」という歴史的シンボルが引き合いに出され、つねに台湾人の「台湾意識」が喚起されるということが繰り返されるでしょう。

このような事態を招いた黄安に対しては、台湾はもちろん、逆効果になった中国からも批判が殺到しました。そもそも、黄安という人物は、常日頃から他者を陥れて自分だけが生き残るようなやり方をしてきたために、彼を擁護する人はほとんどいません。今回の騒動でも中国メディアは彼のことを好意的には評していません。
台湾では現在でも、激しい黄安批判が各メディアで繰り広げられています。16才の才能ある少女を陥れた彼自身の代償は、台湾メディアからの締め出しやカラオケチェーン店から彼の楽曲の締め出しなど、完全無視です。
それにしても、かつて、これほどまでに台湾の人々が台湾独立の意志を示したことがあったでしょうか。
李登輝時代は、李登輝が台湾と大陸は別ものだとして人々を導いていました。今回は違います。蔡英文が人々に導かれたのです。それほどまでに台湾内には大陸寄りの政策に不満がありました。馬英九を支持した4年前、政府も国民も大陸との政治的軋轢を経済協力という名目でごまかそうとしました。

しかしその結果、台湾に不利なことばかりが続きました。多くの企業が大陸へ進出したことで、台湾内の失業率は上がり、大陸への投資が増え台湾内の経済は下降の一途をたどりました。そんな状況に嫌気がさし、現状を打破したいとの不満が積もり積もっていたのです。そのひとつが、2014年3月に起こった「ひまわり学生運動」なのです。

今回の立法委員選挙では、民進党の躍進はもちろん、ひまわり学生運動で活躍した人々が所属する「時代力量党」が5議席を獲得しました。日本もアメリカも、民進党の躍進を歓迎しています。
台湾が正常な民主主義政権に移行しようとしている一方、中国は停滞するばかりか逆行しています。この選挙後にも、中国は「九二共識(92年コンセンサス)」を強調し、あくまでも中国は1つだと主張しています。ある中国高官は、蔡英文が少しでも台独の気配を見せたら、多くの制裁を加えることも辞さないとまで言っているようです。
そんな古臭い脅しに効果があるとでも思っているのでしょうか。台湾は、台湾自身のため、また世界へ貢献するためにも独自の道を邁進すべきです。蔡総統を全力で支持します。
台湾では、1996年度以降徐々に国政選挙制度が確立されていきました。しかし、「選挙分析」の大家で知られる中山大学の陳茂雄元大学教授は、国民党が選挙制度を牛耳るかぎり、いかなる野党も永遠に勝ち目はない、と断言していました。

国民党が勝手に選挙日時を決めて、他の候補者を撃退し、国民党以外の候補者に投票させないような姑息な手段を用いていたからです。不在者投票をさせなかったり、大学の期末試験の時間に投票時間をもってきたりと、嫌がらせのようなことばかりしてきました。
国民党はまた、投票所の増設、投票箱のすり替えなどなどいくらでも不正を働いてきました。勝敗を決めるのは、「買票(票を買収する)作票(不正を働く)」かのどちらかでした。

ところが、今回の選挙では蔡英文が勝利しました。なぜなら、「買票」も「作票」もできなくなったからです。投票所内には不正をチェックするボランティアスタッフが数人配置され、誰もが不正を許さないムードが社会に広がっていました。誰もが民主主義を強く意識し、ボランティアには学生の姿も多く見かけられました。国民党離れが時代の流れとなったのです。

4年前の総統選挙では、330万の無効票が出ました。それは蔡英文の票でした。もし、不正がなかったら蔡氏は4年前に総統になっていたはずです。だからこそ、前回敗れた際に蔡英文は、かの有名なセリフである「可以哭泣、不要放棄!! (泣いてもいいが諦めてはいけない)」と訴えることができたのです。

今後、蔡英文政権が直面する課題はじつに多くあります。政治、軍事、経済、外交、社会、そしてそれ以外に公に知られていない問題もいくつもあります。たとえば、台湾のブラックマネーはGDPの約40%に及ぶという説もあります。
2000年の政権交替では約6兆台湾元、2004年には2兆4,000億台湾元という巨額が、国民党高官などによるマネーロンダリングやキャピタルフライト(資本逃避)のためのブラックマネーとして動いたといわれています。

また、噂によると馬英九政権での財政赤字は22.5兆台湾元(約100兆円)にものぼり、蔡英文政権は日本に頼るしか道はなく、台湾の中国離れは避けられないとも言われています。実際、台湾の苗栗県では、公務員の給料の支払いが遅延し、払えなくなっています。中国の地方政府とよく似ています。

国民党が持つ党の財産は、すべて政府や民間から巻き上げたものです。それを政府に返還させるかどうかは、これからの政治課題ですが、これまで国民党は世界一金持ちの政党で知られていました。
陳水扁時代の内部調査では、8,400億元から200億元ほどの財産があったようです。実際の財産はどれだけあるのか不明ですが、とにかく莫大なものであることは確かです。台湾の財政問題の解決は、新政権にとって急務となるでしょう。
 
著者/黄文雄
台湾出身の評論家・黄文雄が、歪められた日本の歴史を正し、中国・韓国・台湾などアジアの最新情報を解説。歴史を見る目が変われば、いま日本周辺で何が起きているかがわかる!

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