さらに、中国では失踪者たちに「犯罪者」というレッテルを貼り付けるため、明らかな捏造報道が行われています。CCTV(中国中央電視台)は、桂民海氏が過去に飲酒運転による死亡事故を引き起こし、香港に逃亡していたと報道しました。CCTVは拘置所内にいる犯人を取材しましたが、彼は「桂敏海」という、北京語では桂民海氏と同じ読み方をする名前の男でした。つまりCCTVは、ひき逃げ犯が「桂民海」であると人々が錯覚するような報道を意図的に行ったのです。僕はこの話を聞いて、実に中共らしい卑劣な手段だと思いました。>何べんも言うが「嘘も1万回言えば本当になる~毛沢東=中国共産党の本性」ISSとかと中国共産党はその巨大さから比較して、恐ろしさはわけが違う。
しかも本当ににずる賢く一般の世界の人々はシナ共産党の情報に惑わされて何が本当かわからなくなってしまう。今まで何百万いや数千万(文化大革命時代が最もひどかった)の無実の人々がシナ共産党によって殺されてきた。
このような巨大悪国家は近年いや歴史上シナ共産党政権国家だけである。(ソ連も挙げる人がいるがソ連は支配した民族の徹底的な弾圧殺戮まではしなかった。だからペレストロイカで多くの国々が独立できた。)
【中国】言論弾圧が深刻化…世界中に拡大する政府主導の拉致・監禁
こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。2015年、香港の「銅鑼湾書店」のCEO、幹部、同書店の大株主ら計5人が相次いで行方不明になるという事態が発生しました。
習近平国家主席スキャンダル本が香港で出版中止に 真相は不明ですが、銅鑼湾書店が中国共産党政府を批判する内容の本を扱っていたこと、行方不明者の一人が、「独自の方法で中国本土に入り調査に協力している」という内容の手紙を書店員に送っていたことなどから、香港当局では中共政府の指示による拉致・監禁が実行されたと予想されています。
この事態を受け、香港では習近平国家主席の過去の女性スキャンダルを扱った書籍の出版が中止となりました。香港民主党の何俊仁主席によると、中国本土から出版社に対し前述の書籍の出版を中止しろという脅迫電話があったそうです。
中国では共産党政府を批判する内容の書籍は「禁書」と呼ばれ、出版、発売が禁止されています。香港では以前から禁書が多く取り扱われており、毎年香港で開催される「香港書展」というブックフェアの際には、禁書を買い付けるために多くの中国人が本土から訪れます。
僕自身、銅鑼湾書店には立ち寄ったことがあるのですが、禁書を中国本土に持ち込んだことが判明すると、2000元(4万円)以上の罰金や監禁などの刑罰が課せられるため、購入を諦めたのです。
刑罰があるにもかかわらず、禁書を購入する中国人は後を絶ちませんでしたが、その中から多くの行方不明者が出現しているという噂は、中国国内では以前からささやかれていました。
香港書展開催中は中共政府が放ったスパイたちが潜入していて、書籍を買う中国人たちの動向を監視していると言われています。そして習近平体制になり言論に対する弾圧が激化するにつれ、中共政府による拉致・監禁が世界中で行われるようになったのです。
例えば2015年7月9日、タイ政府は入国していたウイグル人難民100人を中国に強制送還したと発表しましたが、この事態に関してはタイ政府に対して中共政府側の圧力があったのかもしれません。
また、一部海外メディアの報道によると、15年10月にはミャンマーのとある街で、中国の著名な人権派弁護士(中国の民主化を支援する弁護士たちの総称)、王宇の息子と支援者2人が制服を着た男たちに拉致されたと報道されました。ちなみに王宇弁護士は、民族和解を訴え、中共政府から「国家分裂」を誘発したと見なされ、無期懲役の刑を受けたウイグル人学者イリハム・トフティ氏を弁護したため、北京市内の航空で父親とともに拘束され、現在囚われの身です。
現在、中共政府から指名手配されている民主活動家・周鋒鎖氏は、海外メディアのインタビューにおいて、今後中共政府による拉致・監禁が世界中で活発化するだろうと答えました。中共政府は外国籍を持つ人物を自国の法律を適用して逮捕することができません。そのため「拉致」という非合法手段を使って都合の悪い人物を捕らえてしまうのです。
例えば今回行方不明になった銅鑼湾書店のCEO李波氏はイギリス国籍、幹部の一人桂民海氏はスウェーデン国籍を持つ人物でした。人権派弁護士の息子などは本人に罪が無いにも関わらず、中共政府が危険視する人物の関係者という理由で無理やり拉致、拘束されてしまうことがあるのです。
さらに、中国では失踪者たちに「犯罪者」というレッテルを貼り付けるため、明らかな捏造報道が行われています。CCTV(中国中央電視台)は、桂民海氏が過去に飲酒運転による死亡事故を引き起こし、香港に逃亡していたと報道しました。CCTVは拘置所内にいる犯人を取材しましたが、彼は「桂敏海」という、北京語では桂民海氏と同じ読み方をする名前の男でした。つまりCCTVは、ひき逃げ犯が「桂民海」であると人々が錯覚するような報道を意図的に行ったのです。僕はこの話を聞いて、実に中共らしい卑劣な手段だと思いました。
中国では「被失踪」という言葉が流行しています。これは「行方不明にされてしまう」という意味で、民主活動家など中共政府に抵抗する人物たちが毎年、天安門事件記念日直前になると行方不明になってしまう事態を揶揄する言葉です。
中国では常態化している政府主導による拉致・監禁ですが、この事態を聞いて北朝鮮による拉致問題を連想された日本の方は多いと思います。「共産主義に基づく差別の無い楽園」を理想に掲げる中朝二ヶ国の政府ですが、実態は目的のためなら平気で人権を踏みにじる卑劣なテロ組織と何ら変わりません。
今回の銅鑼湾書店の事件を受け、香港では6000人以上が中共政府に対するデモ活動に参加したと言われています。一方日本ではまだ多数の拉致被害者が存在するにも関わらず、現在は北朝鮮に対する大規模な抗議活動が行われていません。
僕は日本政府やマスコミがもっと積極的に北朝鮮に対する抗議を鼓舞するべきだと思っています。僕自身も今後、中共政府による弾圧を受けるかもしれませんが、中国の横暴を食い止めるための活動をこれからも続けてゆきたいと思います。
著者プロフィール
漫画家
孫向文
中華人民共和国浙江省杭州出身、漢族の31歳。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、独学で日本語を学び、日本の某漫画誌の新人賞も受賞する。近著に『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)
(構成/亀谷哲弘)