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まともな記事を載せるマスコミが少ない中よく頑張っている。
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韓国こそ「慰安婦」を強制連行…「反日」政治利用に元慰安婦が怒りの告発
【河村直哉の国論】
河野談話の検証をめぐってまた反日が沸騰している韓国から、興味深いニュースが入ってきた。朝鮮戦争の休戦後、在韓米軍基地近くで売春をしていた韓国人女性ら122人が、韓国政府に米軍慰安婦として管理され人権を侵害されたなどとして、国家賠償を求める訴訟を起こしたというのだ。
■韓国政府が売春奨励
産経新聞などによると、慰安婦らは基地村女性といわれた。1960~80年代、在韓米軍維持などのため韓国政府が売春を奨励し、性病検査を強制していたという。日本の“慰安婦”のことをいうなら韓国政府は、それと同じくないしそれ以上に、この直近の問題に対しても取り組むべきなのは無論である。
この問題は昨年11月、韓国国会でも取り上げられている。左派系のハンギョレ新聞(電子日本語版)によると、1977年に「基地村浄化対策」という文書が作成され、朴槿恵(パククネ)大統領の父親である当時の朴正煕(チョンヒ)大統領が署名した。当時、全国62の基地村に9935人の女性がいたとし、性病などの対策案をまとめているという。専用アパートの計画も盛り込まれており、野党議員は「基地村女性は強制的に収容生活をさせられた。事実上、国家が組織的に性売春を管理した」と追及した。
女性家族部長官が「文書を初めて見た」というと、野党議員は「昨年も前長官に同じ質問をした。1年間なんの調査もしなかったのか」。
この長官、たしか、慰安婦問題でとんでもないでたらめを並べて日本をおとしめることしきりだった、今年初めのアングレーム国際漫画祭を、韓国側で画策した中心人物だったはずである。自分の国の、より新しい問題には知らぬ存ぜぬを決め込んでいるらしい。
これこそまさに「強制」
基地村女性の問題は2009年、ニューヨーク・タイムズも取り上げている(電子版1月7日)。米軍基地の近くの売春宿で働いていた女性たちにインタビューした。
〈彼女たちはこう非難している。韓国政府とアメリカ軍は1960~80年代、性売買に直接手を出し、アメリカの軍隊に売春婦が病気をもたらさないよう保障する検査と処遇制度を、共同で作り上げた、と〉
ある女性は同紙にこう話す。「韓国政府はアメリカ軍の巨大な女衒(ぜげん)だったのです」「私たちを、『ドルを稼ぐ愛国者』だといって、できるだけ米兵に売るようにさせました」
女性たちによると、アメリカ軍憲兵と韓国当局は、病気を広げるかもしれない女性を捜すため定期的にクラブを手入れした。韓国の警察は病気と思われる売春婦を拘留し、「モンキー・ハウス」と呼ばれるところに閉じ込め、売春婦は回復するまでそこに居させられた。
これこそまさに「強制」ではないのか。先に発表された河野談話をめぐる検討チームの報告書では、韓国側は再三にわたり「強制性」を談話に入れるよう日本にいってきていた。「強制連行」は確認できないというのが事実であり、日本政府の認識であったにもかかわらずである。
ニューヨーク・タイムズの記事は基地村女性について、こう書いている。
〈韓国とアメリカ当局に売春を強制されたことに女性たちは異議を申し立ててこなかった。しかし韓国政府が自国の歴史を直視せず、日本に償いを求めているという偽善について非難している〉
アメリカも過去を見よ
以上、報道に即してみてきた。何を物語っているかはいうまでもなかろう。慰安婦問題で韓国が日本に対してなしてきた過剰な言動は、そのまま自分たちに返っていかねばならない。
天に唾するという点では、ニューヨーク・タイムズのようなアメリカの反日リベラル勢力についてもおなじである。今回、河野談話について検討チームが報告書を出してすぐ、同紙は検証を批判する社説を載せた。「日本は過去を書き換えようとしていると見られてはならない」などと。
自らの過去の事実をこそ、同紙はもっと見るべきなのだ。今年4月のアジア歴訪で韓国を訪れ、慰安婦問題について「過去を正直かつ公正に認識しなければならない」などと述べたオバマ米大統領もしかり。自らの国の負の歴史を、なぜ見ようとしないのか。
■韓国軍のベトナム虐殺
ここで目を転じて、もう1つ書いておこう。慰安婦問題で日本を急進的に攻撃する「韓国挺身隊問題対策協議会」は今年3月、ソウルで会見した。慰安婦問題についてではない。ベトナム戦争時の韓国軍による民間人虐殺について、韓国政府が謝罪し法的責任をとるようにと訴えた。
韓国軍は1960~70年代、ベトナム戦争に出兵した。1999年、ハンギョレ新聞社が発行する週刊誌「ハンギョレ21」が、韓国軍の民間人虐殺を検証し反省を訴えるキャンペーンを始めた。2000年6月には、このキャンペーンに反発したかつての軍人2400人がハンギョレ新聞社を取り囲み、乱入して破壊行為を働くという社会問題にまでなった。
虐殺の規模や様子については、雑誌「正論」7月号が取り上げている。北岡正敏・神奈川大学名誉教授らが行った現地調査によると、ベトナム全土で約100カ所、1万から3万人の虐殺があったと推計されるとのことである。虐殺を生き延びたという人の証言の一部を紹介する。「韓国兵は、だれかれかまわず、村人を探し出し、殺戮(さつりく)を始めた。家にいた女性は暴行され、ナイフで切られ、なぶり殺しにされ、老人は射殺された。そして、家を焼き払った」
虐殺事件そのものを検証することは、現在の筆者の準備を超える。ただし、挺対協がからんでいることには注意を払っておきたい。日本の慰安婦問題を攻撃する団体が、今度はなぜ自国の虐殺を批判するのかということだ。
この挺対協は、北朝鮮との近さが以前から指摘されている。自由主義国、この場合、日米韓を内側から撹乱(かくらん)し、互いに離反させるという思惑を読んでも的外れとは思われない。「基地村女性」の訴訟の背後にも、どんな勢力の思惑が働いているかよくはわからないのである。慰安婦問題を日本の左派がしきりとあおったように、左翼的な世論操作の意図があるかもしれないのだ。
もっとも、反日に狂乱するごとき国を擁護するつもりは筆者にはない。挺対協などにあおられ慰安婦問題で反日を騒ぎ立ててきた国にとって、米軍慰安婦および虐殺というこの不都合な過去は、自らの首を絞める問題となろう。そんなことすらわからず、不都合な過去にはただ目をふさぎ、慰安婦問題を政府と国民がいまだに騒ぎ続けているようでは、どうしようもない。(大阪正論室長)