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対日関係を強化したいプーチン 中露蜜月は見せかけ

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中国の歴史教科書に掲載されている中露国境地図 ~「ロシアが我が国の広大な領土を不法占拠している」と教育~
>ロシアのプーチンは日本みたいなアホではない。
シナの軍事力増大の脅威をハッキリと解っている。
日本はもっとロシアとの関係を深めても良い。
ロシアは信用出来ないという意見も強いがシナほど悪どくはない。
一応不正はあっても大統領は選挙で選ばれている準民主国家で凶悪シナとは大違いだ。(あの悪名高いソ連時代でも実質的に支配していた他の自治共和国の国民を抹殺しようとはしなかった。むろん反発するものは収容所にいれ殺しもしたがシナよりは10倍は優しい。シナが今やっているチベット、ウイグルでやっていることは人間のやることではない。)
シナに対する牽制としても、そこにアメリカを取り込んでシナ包囲網を作るべきだ。
プーチンが最も恐れていることはいずれシナが昔奪い取った黒竜江北側の広大な地域を
取り返しに来ることだ。
ここは尖閣と違い明らかに昔清の領土だった。今まではロシアとの力関係で
黙っていただけ。最近のシナの経済、軍事力が強くなったことでシナ国民にロシアへの不当性を訴えている。
プーチンが将来紛争の種になるのではと危惧しているのは当然だ。
 
 

日露首脳会談
対日関係を強化したいプーチン
中露蜜月は見せかけ

兵頭慎治 (ひょうどう・しんじ) 防衛研究所米欧ロシア研究室長

1992年上智大学外国語学部ロシア語学科卒業、94年同大学大学院国際関係論専攻博士前期課程修了。在ロシア日本大使館政務担当専門調査員、内閣官房副長官補(安全保障・危機管理)付内閣参事官補佐、青山学院大学大学院講師等を経て、2011年より現職。

WEDGE REPORT

時間軸の長い視点で深く掘り下げて、日本の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。
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4月の日露首脳会談に先駆けるかたちで、3月に行われた中露首脳会談。習近平国家主席は初外遊先としてロシアを選び、プーチンも大統領に返り咲いた後、早い段階で中国を訪問した。蜜月にも見える両国関係だが、ロシアは大いに中国を警戒する。日本がロシアと付き合うのに必要な視点、戦略とは何か。
 「中露関係はかつてないほどの高水準」―。3月下旬、習近平国家主席はロシアを初外遊先に選び、プーチン大統領と会談した。冒頭のフレーズは首脳会談後に公表された共同声明にて繰り返されたもので、中露の蜜月ぶりが対外的に演出された。
 日本の報道はそのプロパガンダを鵜呑みにするものが多いが、中露国境が最終画定され、大規模な合同軍事演習が開始された2005年頃をピークとして、中露協調は頭打ちの状態にある。むしろ、最近では、中露戦略的パートナーシップの内実は複雑化しつつある。

中露関係は離婚なき便宜的結婚

 中露関係は、ロシアから中国への資源や武器の供与という実利協力と、対米牽制という戦略協調という、2つの要因から成り立っている。しかし、いずれも一筋縄ではない。
 資源協力に関しては、今回の首脳会談でも、天然ガスの輸出価格をめぐって両者とも妥協せず、十余年に及ぶ価格交渉はまとまらなかった。 最新鋭戦闘機スホイ35などの十数年ぶりの大型武器供与も、実は細部調整は難航している。中国によるロシア製兵器のコピー問題や、引き渡す戦闘機の仕様などが固まっていないためだ。それでも、中国側は中露間の軍事協力を派手に宣伝するものの、ロシア側の姿勢は抑制的である。むしろ、クローズアップされたくないのが本音であろう。ここに中露関係の本質が見て取れる。
 他方、対米牽制というモチベーションも、中露間の温度差は開きつつある。尖閣問題で対立する日本が対米関係を強化する動きを牽制するために、中国はロシアとの戦略的連携を利用しようとしている。
 
習近平はモスクワの大学における講演で、日中戦争で中国軍がソ連の援軍下で日本と戦ったエピソードを持ち出し、第二次大戦の戦勝国同士の歴史的連帯を呼びかけた。しかし、ロシア側の反応は冷ややかだった。
 今回の共同声明でも、中国側が求めた第二次大戦の歴史認識に関する文言をロシア側が受け入れなかったほか、主権や領土などの「核心的利益」を相互に堅持するという表現に関しても、ロシア語のテキストでは、12年の共同声明から、それまでの「根本的利益」(korennye interesy)という表現から「枢要な利益」(kliuchevye interesy)という一般的な表現に置き換えられている。中国に言質を与えない工夫だ。
 ロシア政府関係者によると、中国側から、尖閣問題と北方領土問題において対日共闘を何度も呼びかけられたが、ロシアはそれに応じず、日中関係に関しては今後も中立的な立場を維持していくという。
 05年から開始された中露合同軍事演習も、最近では様相が変化している。かつては中露の緊密ぶりを第三国へ政治的にアピールする「外向け」のものであったが、昨年4月に黄海で実施された海軍演習は、軍事能力を相互に把握する「内向き」の演習に転化した。ロシアからすれば伸長する中国海軍の実力を、中国はロシアが先行する対潜水艦作戦能力を相互に情報収集することが狙いであった。つまり、相手を知るための軍事演習なのである。
中国の歴史教科書に掲載されている中露国境地図 ~「ロシアが我が国の広大な領土を不法占拠している」と教育~
(出所)中国の中学校用教科書『入門 中国の歴史』をもとにウェッジ作成
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 それでもビジネスとしての実利的協力と、対米関係の切り札である戦略連携が途絶えることはない。中露関係は「離婚なき便宜的結婚」と呼ばれるように、中国と決別する選択肢はロシアには存在せず、毎年、首脳会談で相思相愛を相互確認しなければならないのである。
 最近、ロシアは安全保障面において中国への警戒感を強めており、もはやそれを隠そうとはしていない。その背景には、両国間の力関係の格差がある。中国の国内総生産(GDP)がロシアの4倍以上となり、ソ連時代の兄弟関係の立場が逆転し、上から目線の中国に対してロシアの心中は穏やかではない。
 中露国境を挟んだ人口格差に加えて、中国の教科書ではロシアが中国北部の領土を略奪したと記されており、将来的にロシア極東地域が中国の影響下に入ることをロシアも本気で懸念し始めている。プーチン自らも、中国からの移民を厳重に監視する意向を示すなど、対中懸念に言及するようになったため、筆者とモスクワで面談する軍関係者までも、かつては政治的タブーとされた中国脅威論を平然と語るようになっている。
 

ロシアが恐れる中国の核

 ロシアが中国を警戒する新たな要因として、北極進出の動きがある。1999年以降、中国の極地観測船「雪龍」がオホーツク海を経由して北極海へ向かうようになり、オホーツク海を「内海」とみなして軍事的な聖域とするロシア軍関係者の間に波紋が広がっている。そこで、極東地域でのロシアの軍事演習には、中国の海洋進出を意識したと思われるものが見られるようになっている。
 「北極海への抜け道」に抵抗するかのように、11年から冷戦終焉後初めて大規模な軍事演習がオホーツク海で実施された。昨年7月の演習では、「雪龍」が宗谷海峡からオホーツク海南部を通過するタイミングで、サハリン東岸から対艦ミサイルが発射されたため、中国公船のオホーツク海立ち入りを牽制する意図があったのではないかとの見方も浮上した(詳細は防衛研究所編『東アジア戦略概観2013』参照)。
 オホーツク海は、冷戦時代の「原子力潜水艦の聖域」に加えて、「北極海への抜け道防止」という、新たな戦略的価値が付与されつつある。今回「雪龍」は、千島列島北部のパラムシル島南部を抜けてオホーツク海から太平洋に抜けたが、もう一つの出入り口が北方領土付近となる。
 ロシア軍は、国後・択捉両島の駐屯地を整備し、対艦ミサイルの配備を計画するなど、軍近代化を着実に進展させており、オホーツク海の意義が強まれば北方領土の軍事的価値も相対的に高まり、今後の領土交渉にも影響を与えることになろう。
 中国による海洋進出の動きを受けて、昨年5月に大統領に復帰したプーチンは、北極・極東地域の海軍強化の方針を打ち出した。具体的には、20年までの装備予算のうち、約4分の1が海軍増強に充てられ、20年までに調達予定のボレイ級弾道ミサイル搭載原子力潜水艦8隻のうち、1番艦のユーリー・ドルゴルキーが本年1月に就役したほか、フランスから導入するミストラル級強襲揚陸艦も来年の配備が予定されている。
 しかし、ロシアが最も懸念するのは、自らの影響圏である北極海やオホーツク海への中国船の立ち入りではない。軍関係者によれば、最大の懸念は、中国の核戦力にあるという。
 両国の核戦力の格差が縮小することも問題であるが、ロシアにとって不可解な「核の先行不使用(no first use)」を掲げる中国の核政策そのものも疑念の対象となっている。中国には核使用の自己規程がなく、実際に使用する可能性があると疑っているのだ。中国海軍によるレーダー照射事案などを目撃するにつけ、不安は募る一方だ。ロシアが中距離核戦力(INF)全廃条約を破棄して、中距離核を保有したいと繰り返すのは、こうした理由による。

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