『ワシントン・ポスト』や『ニューヨーク・タイムズ』などが報じるところによると、フィラデルフィア、ニューヨーク、ロサンゼルス、ヒューストン、アトランタなど主要都市をはじめ各地の警察は、罪を犯していない人の車を止め、理由なく金目のものを没収している。
警官は難癖をつけて黒人を職務質問し、信号無視など些細なことで罰金を科し、暴行を加え、逮捕する。この恣意的な生殺与奪権の濫用が黒人と市警の対立の背景である。
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シナよりはマシだがアメリカも個人の人権が権力者から無視され収奪されているという驚きの記事だ。このままでは共産国並みになるのではと心配してしまう。
アメリカの一番の問題点は紙幣発行権を民間のFRBが握っていてアメリカという国はそのFRBからかりて紙幣を発行している。だから紙幣を増刷して国の借金を帳消しにすることができないのだ。それだから国が地方に日本みたいにバカバカ補助金を配れないので地方都市はどこも財政状況が厳しい。
これ以上自由な国アメリカのイメージを壊さないでくれと言いたい。
[岩田太郎] 【露骨化する国民からの収奪】~民衆をなめきった米権力者~
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岩田太郎(在米ジャーナリスト)
「岩田太郎のアメリカどんつき通信」
収奪政治(kleptocracy)という言葉がある。腐敗した権力者が国民を収奪して私腹を肥やす体制のことを指す。現在の共産党支配下の中国に、ぴったり当てはまる概念だ。だが、自浄能力の高さを謳う米国政治も中国化している。 米司法省は3月4日に、昨年8月丸腰の黒人青年マイケル・ブラウン君を射殺し、不起訴処分になった白人の元警官ダレン・ウィルソン氏が所属していたファーガソン市警に対する捜査報告を発表した。それによると、貧困地区であるファーガソン市当局は十分な固定資産税収入を確保できず、市財政を補う目的で市警に対し、圧倒的に黒人が多数の市民から罰金や手数料を容赦なく徴収するよう要請し、市警は過剰取締りを実行している。
ファーガソン市裁判所も中立性を捨て、些細な市条例違反で逮捕・収監・罰金を多重に課している。ある黒人女性は、1回の駐車違反に2枚もの反則切符を切られ151ドルの罰金を支払ったが、全納しなかったとして逮捕命令が出され、数回収監された。さらに550ドル支払った後も541ドルが未納とされている。
牢屋の中でカネは稼げない。借金を返済できない者の自由と返済能力を奪い、いつまでも閉じ込める「債務者の監獄」と呼ばれる悪意に満ちた制度だ。市は教育や衛生・福祉など公共サービスには力を入れず、市民からの搾取に最大限の資源が投入している。
警官は難癖をつけて黒人を職務質問し、信号無視など些細なことで罰金を科し、暴行を加え、逮捕する。この恣意的な生殺与奪権の濫用が黒人と市警の対立の背景である。
報告書は、市警が警官に市民からの罰金と手数料徴収を増加させるようハッパをかけ、そのために内規に違反しても見逃していたことを明らかにした。ノルマを達成しない警官は出世できず、処罰を受ける。市裁判所や市警や各警官には、貪欲で強権的になる動機がある。
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こうした腐敗権力は、ファーガソンに留まらない。米国には「民事没収」という制度があり、犯罪に関わっているという疑いがあるだけで没収した資産を、政府のものにできる。
『ワシントン・ポスト』や『ニューヨーク・タイムズ』などが報じるところによると、フィラデルフィア、ニューヨーク、ロサンゼルス、ヒューストン、アトランタなど主要都市をはじめ各地の警察は、罪を犯していない人の車を止め、理由なく金目のものを没収している。
民事であるため推定無罪は機能せず、刑事裁判でないため州選弁護人もつかない。物品を没収された人は、没収物が正当な手段で得られたもので、自分に属することを裁判で証明しなければ取り戻せない。多くの人は、長期にわたる裁判に耐える費用がなく、訴訟をあきらめる。
2001年以来、全米で約6200件の民事没収が令状なしで行われ、250億ドル(3兆円近く)が市民から没収されたと、『ワシントン・ポスト』紙は推計。この内、地元警察が170億ドルを得ている。強盗を捕まえるはずの警察が、罪のない一般市民から金を奪う「ハイウェー強盗」と化したと、同紙に非難の投書が掲載された。
また、失職などの理由で養育費支払いが継続できなくなった父親たちに、各地の裁判所が容赦なく収監命令を出し、「債務者の監獄」を運用している。養育費を徴収すれば、連邦政府から州政府に数億ドル規模の補助金が出るからである。
関与する警察や機関の予算も増える。そのためには、両親が離婚して親権を争ってくれたほうがよい。かくして、子供のために協力すべき父母が「子の最善の利益」の名目で争い、裁判所へ予算が誘導される。
このように米国では収奪政治(kleptocracy)が横行しており、権力者による国民の略奪の動機と手法には一貫性がある。民衆を怖れず、なめ切っているからだ。
[岩田太郎]【底なしの米政治腐敗、打つ手なし】~個人メール問題、ヒラリー氏は氷山の一角~
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岩田太郎(在米ジャーナリスト)
「岩田太郎のアメリカどんつき通信」
米政治の腐敗は、打つ手なしだ。民主党の次期大統領候補の最有力者、ヒラリー・クリントン前米国務長官が、2009年から2013年の在任中にわざわざ自宅地下室にメールサーバーを立ち上げ、自家製ドメインのメールアドレスを公務に使用していた問題は、保守・リベラルを問わず国民への説明責任を果たさない権力者の系譜の、氷山の一角だ。 ヒラリー氏は3月10日に開いた記者会見で事実上、「携帯を2台も持ち歩きたくなかったのよ、文句ある?」と主張した。こうした中、彼女が国務長官就任前の2007年、当時のブッシュ政権高官に対し、「秘密の個人メールアカウントを公務に使用していることは、憲法違反」だと非難する演説の動画が再生回数を伸ばしている。
また、ヒラリー氏が在任中の2012年、「駐ケニア米大使のスコット・グレーション氏が、公務に私用メールを使ってはならないとする国務省規定にわざと違反した」として更迭したことが、二重基準だと批判を浴びている。
民主党内からは、「以前の歴代国務長官も、公用を個人メールで行っていた」「何の問題もない」とヒラリー氏擁護の声が出ている。一方、法の番人であるエリック・ホールダー司法長官も公務に私用アカウントを使っていることが明るみに出た。
ヒラリー氏は「公務」とされる5万5千件のメールを国務省に提出する一方、3万件の「私用」メールを削除したと明らかにした。だが、何が公務で何が私用かを決めて仕分けを行ったのは、ヒラリー氏本人とその弁護士で、公務の通信が削除された疑いは消えない。
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現在、関心を集めているのは、ヒラリー氏が2013年2月に退任した際、OF-109と呼ばれる様式に署名をしたか否かだ。国務省を去る公務員は、「国務省で雇用中に取得した、全ての公務にかかわる機密扱いを受けてない書類や文書を担当官に返却した」旨を、宣誓する。何が公務で何が私用かを決めるのは本人ではなく裁判所で、違反は禁固刑を伴う重罪だ。だが、どれだけ法律がはっきり違反を規定しても、実際の法の運用で権力者が罪に問われることは、ほぼ皆無だ。
ヒラリー氏の弁明は、「飼い犬が、私のメールを食べてしまった」と主張するに等しいと揶揄されている。しかし、メディアは今日騒ぎ、明日は忘れる。自身が弁護士であるヒラリー氏は、争点をずらし、技術論に持ち込み、数年が過ぎる。民主党にも共和党にも、彼女に代わる大物大統領候補はいないので、スキャンダルも何のその、2016年の選挙では勝利するだろうとされる。
権力者が罰を受けなかった前例は、あまたある。政敵の民主党本部盗聴を大統領自らが命令したウォーターゲート事件で訴追されそうになった共和党のニクソン元大統領は、自身が後任に任命したフォード元大統領から恩赦を受けた。共和党のレーガン元大統領時代、イランへの武器売却代金をニカラグアの反共ゲリラ「コントラ」の援助に違法流用していた事件はうやむやにされた。
民主党オバマ政権も、法律に違反しながら処罰されなかった高官のオンパレードだ。政権の敵である保守系団体を国税査察で狙い撃ちした内国歳入庁のロイス・ラーナー前部長は、公務のメールが「行方不明」になったと苦しい言い訳をしたが、訴追されていない。環境保護庁のリサ・ジャクソン元長官に至っては、公務のメールを私用の「リチャード・ウィンザー」名義のアカウントに送らせていたが、同じくお咎めなしだ。
透明性も説明責任も法の支配も、虚構だ。米国の権力者は処罰を受けず、国民をなめ切っている。一方、国民の違反は些細なものでも見逃されない。それどころか、政府が国民を正当な理由なく収奪するパターンが明らかになりつつある。
(次回、【米国民の収奪が露骨化】~司法省報告を読み解く~(仮題)につづく。このシリーズ全2回)