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空気と水で作るディーゼル燃料で自動車が走る、アウディが運用を開始

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生成における全工程のエネルギー変換効率は70%となっており、非常に高い変換が可能だとしている。
リチウム電池電池より高効率ならトヨタなど日本勢は大きな驚異となる。あとはその燃料のコストがどれくらいか詳しい情報が欲しい。
 

自然エネルギー:空気と水で作るディーゼル燃料で自動車が走る、アウディが運用を開始

ドイツのアウディ(Audi)は、ドイツ・ドレスデンの研究施設で空気と水から合成したディーゼル燃料「e-diesel(eディーゼル)」の生産を開始したと発表した。自動車用に利用を進めていくという。

[三島一孝,スマートジャパン]
 今回アウディが開発した合成ディーゼル燃料は、二酸化炭素(CO2)と水を高温で合成することで作り出すもので、硫黄などを排出しない他、再生可能エネルギーを利用することで、完全にクリーンな燃料を創出できることが特徴となる(図1)。
photo図1:アウディが生産を開始する合成ディーゼル燃料「eディーゼル」 出典:アウディ
 アウディがドイツのsunfireとスイスのClimeworksと共同で研究を進めてきた技術で、2014年11月にパイロットプラントを開設。2015年4月から本格生産を開始した(図2)。sunfireは、エネルギーの液体保存(Power to Liquid)やガス保存(Power to Gas)技術などを持つエネルギー関連企業で、特に高温での合成技術などで評価を受けている。一方ClimeworksはCO2の吸入技術などを提供している。
photo図2:アウディとsunfire、Climeworksで共同開設したパイロットプラント(クリックで拡大)出典:アウディ

高温電気分解で効率的にエネルギー変換

 アウディのeディーゼルの生産方法は以下のような手順で行う。まず、水を蒸気を形成するように800度以上に加熱し、高温電気分解により水素と酸素に分解する。同技術は熱回収技術に比べても効率的だという。また、変動の激しい再生可能エネルギーの電力供給を安定化するためにも活用できる。
 こうして分離した水素に再び合成反応器において、高温で圧力をかけ、CO2と反応させる。こうして「Blue Crude」として知られる長鎖炭化水素化合物から作られた液体が精製される。これをさらに改良して、化石燃料と非常に近い「eディーゼル」を作る(図3)。生成における全工程のエネルギー変換効率は70%となっており、非常に高い変換が可能だとしている。
 この合成燃料は、硫黄および芳香族炭化水素を含まず、高い発火性を備えている。そのためそれ自体で燃料として使用できるだけでなく、ガソリンなどと混合して使用することもできるという。今後数カ月にわたってeディーゼルは同プラントで3000リットル以上生産される計画だとしている。
photo図3:eディーゼルの生産および利用工程のイメージ(クリックで拡大)出典:アウディ
 2015年4月21日(現地時間)に開催されたセレモニーでは、ドイツ連邦政府の教育研究大臣であるジョハンナ・ヴァンカ(Johanna Wanka)氏が、公用車である自身のアウディA8に5リットルのeディーゼルを給油したという(図4)。

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