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Channel: 世界の真実をネット(転載自由)で広げよう。(国民は情報不足です)
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「日本人よ、世界に飛び出せ」

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パナマに現在、中国人が押し寄せている理由の一つがこの運河にあることは間違いない。世界的な交通の要衝であるパナマを「落とす」ことは、まさにアメリカの喉元に合い口を突き付けるに等しいからだ。
>世界に羽ばたく支那の若者、反対に内にこもる日本の若者・・このままじゃいよいよ支那に勝てない。
 

日本の裏側で増え続ける
中国人襲撃事件


有本 香 (ありもと・かおり) ジャーナリスト

企画会社経営。東京外国語大学卒業後、雑誌編集長を経て独立。近年とくに中国の民族問題の取材に注力している。『中国はチベットからパンダを盗んだ』(講談社)『なぜ、中国は「毒食」を作り続けるのか』(祥伝社)の他、近著に『中国の「日本買収」計画』(WAC BUNKO)がある。

チャイナ・ウォッチャーの視点

めまぐるしい変貌を遂げる中国。日々さまざまなニュースが飛び込んできますが、そのニュースをどう捉え、どう見ておくべきかを、新進気鋭のジャーナリストや研究者がリアルタイムで提示します。政治・経済・軍事・社会問題・文化などあらゆる視点から、リレー形式で展開する中国時評です。(画像:Thinkstock)
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先週19日、日本滞在中のチベットの指導者ダライ・ラマ14世法王が、記者会見で「日本の若者にエールを送った」と報じられた。法王は、「日本の若者が過剰なストレスと孤独感に悩み、自殺者が増えているとも聞いている」とした上で、「内に閉じこもるのではなく、世界の共通語である英語を学んで、アフリカやラテンアメリカなど外の世界へ飛び出し、それらの地の発展に貢献してほしい」と述べた。

「日本人よ、世界に飛び出せ」

 法王は一昨年の来日の折も、「日本人よ、世界に飛び出せ」と力説した。
 中国によるチベット侵略後、インドへの亡命を余儀なくされて半世紀。世界との弛まぬコミュニケーションによって、チベット問題を風化させない「闘い」を続けてきた法王の姿と重ね合わせて聞くと、この言葉には非常に説得力がある。
 一方、某大手メーカーの管理職(40代)から聞いた話に驚く。
 「今の20代、30代の社員は『海外駐在は嫌です』というのです。そのくせ、日本での毎日に「希望が持てない」ともいう」
 真面目に仕事はするが、冒険心やチャレンジ精神は希薄。かといって現状にも満足しているわけではなく、将来に漠然と不安を抱く日本の若者。そんな若者を見て、「日本人はどうなってしまったのか」と40代以上は唸るが、この問題を掘り下げるのが本稿の主旨ではない。
 そうした日本の若者とはあまりにも対照的に、ますます積極果敢に外国へ進出しているのが中国人である。先進国である日本や欧米のみならず、日常生活に相当の困難が伴うであろう途上国であっても、「チャンスあり」と見れば出ていくのが中国人だ。つい最近までイスラエルによる空爆が続いていた、パレスチナのガザにさえ、商店を開く中国人の姿があるという。
 以前、本コラムでアフリカへ出ていく中国資本と中国人(中国とアフリカの「不適切な関係」の行方)について書いた。同じく本稿では、中南米等の地域へ積極進出する「中国」と中国人の実情に触れたい。

日本の存在感が薄れる一方で中国は・・・・・・

 アフリカでの「戦果」に負けず劣らず、中南米での資源獲得競争においても、近年の中国の躍進ぶりは目覚ましい。この10年間で中国は、中南米において米国に次ぐ大投資国にのし上がり、その結果、アメリカとの鞘当てが激しさを増している。
 最近の例だけでも、2009年4月のNYタイムズが伝えたところでは、中国は、ブラジルの国営石油会社ペトロブラスに100億ドル、「反米の旗手」チャベス大統領率いるベネズエラに120億ドル、アルゼンチンに100億ドルを投資する大盤振る舞いを見せている。
 もとはといえばブッシュ政権時代に、アメリカがベネズエラやエクアドルと敵対したところへ中国が食い込んだことが「大躍進」のきっかけとなった。中南米の産油国にしてみれば、最大のお得意先であった米国向け輸出が減った分を、中国向け輸出で補う格好となったのだから、中国が救いの神となったともいえるのだ。 
 アメリカはオバマ政権となって、中南米との関係修復を打ち出し、大豆や鉄鉱石など補完的商品に関する長期供給交渉を行ってはいるもののやはり迫力負けの感は否めない。
 
中国が、中南米でばら撒く大枚のドルが、もとをたどればおもに対米輸出で儲けた金だということを考えれば、アメリカの忸怩たる思いはいかばかりか。そして、いうまでもなく、中南米でのわが国の存在感もまた薄れていく一方である。

人口250万のパナマに15万人超の中国人

 中国の中南米での躍進ぶりが顕著なのは、資源国に限らない。数カ月前、米国サンフランシスコで会った現地在住の日本人ビジネスマンの体験談を紹介しよう。
 最近中米のパナマへ出張し、空港でタクシーに乗ろうとしたら、「中国人はお断り!」と言われ、乗車拒否に遭った。「日本人だ」と連呼すると、「そうか、それなら乗れ」と運転手は態度を豹変させたという。
 余談だが、北イタリア、ルーマニア、アフリカ某国でも、とにかく世界のあちらこちらの街角で、日本人が唐突に「中国人×▽※☆!」と罵倒され、「日本人だ」というと「あぁそう、ごめん」と相成ったとの話を最近よく聞く。
 話を戻すと、資源求めての進出で中南米へ、というのはわかる。しかし、なぜパナマ?という疑問が当然湧く。が、特段の資源もない、人口約250万の国パナマでは現在、中国人在住者が全人口の7%に迫る勢いで増え続けている。
 パナマは、20世紀初頭アメリカの支援によってコロンビアから独立した国だ。アメリカの狙いは、太平洋と大西洋を結ぶ運河の建設と利用にあった。独立後のパナマでは、アメリカによる運河建設が遂行され、完成後、パナマ運河はアメリカの太平洋進出に大いに寄与することとなる。
 今もってパナマ運河が、中南米の左翼勢力から「アメリカによるラテンアメリカ支配の象徴」と見なされるのはこうした歴史のためである。
 同運河は、長らくアメリカの安全保障上のキーストーンであり、米軍も駐留を続けた。しかし、1999年末、運河はアメリカからパナマに返還され、同時に米軍も撤退する。この運河返還と米軍撤退を見越して、90年代初めからじわじわとパナマに触手を伸ばしてきたのが中国であった。
 パナマに現在、中国人が押し寄せている理由の一つがこの運河にあることは間違いない。世界的な交通の要衝であるパナマを「落とす」ことは、まさにアメリカの喉元に合い口を突き付けるに等しいからだ。

強盗被害に遭う中国人が経営するスーパー

 中国政府が、パナマをターゲットとした理由はもう一つある。
 パナマをはじめ中米には、台湾と国交を結んできた国が多い。これらを転向させる作戦の成果がとくに2000年以降、目立ってきた。04年にはドミニカ、05年にはグレナダ、07年にはコスタリカが台湾と断交し、中国との国交樹立に至っている。
 アメリカの喉元に合い口を突き付け、台湾の国際的孤立を深めさせる。この重要な工作のために、自国民を大勢パナマへ送りこみ、エビの輸出等の現場で働かせることは、中国にとって一石何鳥の戦術だ。毛沢東以来、本気で「地球制覇」を目指す中国の最強の武器は、「人」である。いつの日か、世界中を中国人の海に沈めてしまおういう作戦なのだ。
 
一方、南米アルゼンチンにも、「中国人の大波」が押し寄せ、異常事態が起きている。
 09年7月、中国の国営メディア人民網は、「アルゼンチンの中国人経営スーパーが1日に9店も強盗被害に遭っている」と伝えた。
 報道によると、現在(報道当時)アルゼンチンには約8万人の中国人が居住、中国人経営のスーパーの店舗数は7890店舗、売り上げは計40億ドル(約3820億円)にのぼる。そのうち、09年上半期だけで1929店舗もの中国人経営スーパーが強盗被害に遭った、とアルゼンチン中国人スーパー経営者組合が発表した。
 平均1日9店舗が襲われている計算だが、ほかにも1万6877件の窃盗事件が発生している。しかし、襲われたスーパーの半数以上は警察に通報しないため、実際の被害件数は統計以上の可能性が高いとも伝えている。
 なんと物騒な話かと思うと同時に、中国から見て地球の裏側にあるアルゼンチンにこれほど多くの中国人経営のスーパーがあることが空恐ろしい。ちなみにアルゼンチンは、人口3000万強の国。そのアルゼンチンで「公称8万人(実際はもっと多い)」、日に日に増え続ける中国人は「脅威」であろう。

なぜ、中国人、中国資本は襲われるのか?

 アフリカの稿でも書いたが、「襲われる中国人、中国人資本」という現象はアルゼンチンに限ったことではない。06年、在外中国大使館が処理した事件は3万件にも上る。
 治安のよくない地へ出ていく人や企業の数が多ければ、比例して事件に遭う可能性も高くなるといえる。しかし、中国人や中国資本が襲われる理由はそうした数の理屈だけで片付けられるものではないだろう。
 ここで思い出されるのは、ダライ・ラマの言葉だ。
 「アフリカやラテンアメリカなど外の世界へ飛び出し、それらの地の発展に貢献してほしい」
 途上国に進出する中国資本や中国人が、現地の発展に寄与していると見えるなら、襲撃のターゲットにされる確率は低くなるのではないか。
 もちろん、現地の発展のため懸命に努力していた日本人が現地人に襲われ、命を落とした事件も過去にある。とはいえ、尋常ならざる数字が示す「中国人襲撃」の事態はやはり、中国の海外進出のありように根本的な問題があることを表しているのではないか。
 中国による植民地支配を受けているチベットの人々も口を揃える。
 「(中国は)私たちの国を盗ったのですから、せめて私たちチベット人にとっての幸せを考えてほしいのです。そうすれば『チベットから出ていけ』とはいいません」
 他人の国へ出て行って金儲けをしようというなら、最低限の節度と、現地の人々と協調し、現地の人々にも益となるよう努力する精神が不可欠だ。このことに目を向けない限り、世界中で中国人と中国資本が襲われるリスクは少しも減ることはないだろう。

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