Quantcast
Channel: 世界の真実をネット(転載自由)で広げよう。(国民は情報不足です)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 619

空しきおもてなし…訪日客数22位、日本は「観光後進国」?

$
0
0
「ユーザー目線」でしっかりとした観光資源の整備を行えば、日本は8400万人の外国人が訪れるフランスにも匹敵する観光大国になれるという。
>まだまだ伸び代があるということです。
 
 

空しきおもてなし…訪日客数22位、日本は「観光後進国」?

2015.08.06
2014年の訪日外国人観光客が2年連続で過去最高を更新した。無邪気にはしゃぐ関係者の一方で、国別ランキングは惨憺たる状況。この現実を“伝説のアナリスト”が一刀両断する。
《2014年の訪日外国人旅行者数“過去最高”の1341万人》
日本政府観光局は2015年1月20日、2014年に日本を訪れた外国人旅行者数が前年比29・4%増の1341万3600人(推計値)だったと発表。過去最高だった13年(1036万3924人)を約300万人上回った。政府は東京五輪が開かれる2020年までに、訪日客数を14年比1・5倍となる2千万人に増やす目標を掲げている。

訪日外国人、1300万人を超えた!!

1300万人突破、2年連続で過去最高を更新(2014年)
日本政府観光局によると、2014年に日本を訪れた外国人観光客が1300万人を突破して過去最多を記録。2年連続で過去最高を更新した。
2015年はすでに上期で914万人、年1800万人超のペース
日本政府観光局が7月22日発表した今年上期(1~6月)の訪日外国人客数(推計値)は、前年同期比46.0%増の913万9900人となり過去最高となった。年間では1800万人を超えるペースに。
盛り上がる…「日本はスゴい」番組
テレビでは毎週のように、「日本がスゴい」「日本の技術は世界一」といった番組が放映されている。外国人観光客にマイクを向ければ、みな日本を大絶賛。日本テレビ系『ネプ&イモトの世界番付』では、外国人たちにアンケートを行って「日本は世界一治安がよい」と大いに盛り上がるシーンなども。

しかし!国別ランキングでは…

日本は世界で22位、アジアで7位(2014年)
日本政府観光局が8月に発表した「世界各国、地域への外国人訪問者数」によると、日本は世界で22位、アジアの中では7位だった。
フランスは年間8400万人、アジアでもタイは2600万人…
国際社会で「観光大国」と認識されているフランスは年間8400万人の外国人が訪れている。アジアでも、たとえばタイでは2500万人が訪れている。こうして比べてみると、日本が「観光」という分野においては「先進国」とはいいがたい。
2014年の外国人訪問者数ランキング(日本政府観光局より)
2014年の外国人訪問者数ランキング(日本政府観光局より)

「観光立国」への道はまだまだ…「伝説のアナリスト」が警鐘

「日本は『観光後進国』」
「外国人旅行者1300万人突破」「訪日客の消費額は2兆円超」などと報じられている一方、文化財の保存・修理で国内最大手の小西美術工藝社の社長、デービッド・アトキンソンさんは「日本は『観光後進国』だ」と指摘している。
「『観光立国』を名乗る前にやるべきことがあるのでは…」
「訪日外国人数の目標設定などは、日本の組織が好きな数字合わせでしかない。一体何のために観光客に日本に来てもらうのか。その土地におカネを落としてもらうという原点を見失っていないか」。(アトキンソンさん)
「日本の文化財の魅力を高めるための仕組みがない」
アトキンソンさんは、観光地としての日本のキラーコンテンツは神社仏閣などの文化財とし、その周辺にお金が落ちて、魅力を高めるための再投資ができるような仕組みができていない、と指摘する。
「クレジットカードが使えない、英語の案内も少ない」
問題は寺社やその周囲にもある、という。たとえば、日本を代表する世界遺産「日光東照宮」では、日光駅周辺の店舗などでクレジットカードがほとんど使えないという。英語の案内も少なく、パンフレットも僅か。「これで『おもてなし』などと言えるのか」とアトキンソンさんはあきれる。
《デービッド・アトキンソン》
元ゴールドマン・サックス金融調査室長。小西美術工藝社社長。「伝説のアナリスト」として名を馳せた御仁で、オックスフォードで日本学を学び、休日は京都の町家で茶道を楽しむなど、日本で暮らして25年になる。著書に『新・観光立国論』(東洋経済新報社)など。

実際に…上位は“近隣”のアジア勢

訪日観光客のほとんどが“周辺国”の中国、韓国、台湾
国・地域別では、上位10位のうち、7つの国・地域がアジア勢で占められた。首位は台湾で282万9800人。次いで韓国が275万5300人。3位の中国は83・3%増の240万9200人と急増。つまり日本に来ている外国人観光客というのはほとんどが中国、韓国、台湾という“周辺国”だ。
欧米などが「憧れを抱く」ような国ではない
日本は、お隣さんたちがちょっとした休みに遊びにくる国であって、我々が旅行会社のヨーロッパ旅行やハワイ旅行のチラシを見て、「有休とれたら行ってみたいなあ」と憧れを抱くような国ではない、という指摘もある。

理想と現実のギャップ…要因は「おもてなし」の欠如!?

問題の根幹に「ユーザー目線」の欠如
日本の観光における「理想と現実のギャップ」をたどっていくと問題の根幹にはこのような「ユーザー目線」の欠如があるのではないか。それを象徴するのがゴールデンウィークだ、とアトキンソンさんは指摘する。
日本企業の「おもてなし」の理想と現実が乖離
観光客は大渋滞を強いられ、飛行機やホテルは「特別料金」をとられるなどデメリットは山ほどあるが、供給者側からするとよいことづくし。「『ゴールデンウィーク』という制度の恩恵から、『大量の観光客をさばく』という供給者側視点の効率のよさばかりが優先された。それこそが、日本企業の『おもてなし』というものが、自分たちが追い求める理想と乖離してしまった、最大の要因ではないか」(アトキンソンさん)とも。

それでも…日本は「観光大国」になれるポテンシャルがある

「ユーザー目線」を取り入れれば外国人観光客は増える
「供給者側の都合」が優先される国で、異なる文化や価値観をもつ「ユーザー」が居心地がよくないのは言うまもでない。だが、「ユーザー目線」を取り入れさえすれば外国人観光客は増える、ともいえる。
自然、文化、気候、食事…「観光大国」への条件がそろっている
アトキンソンさんの著書『新・観光立国論』では、「観光大国」になれる国は自然、文化、気候、食事だという4つの条件があるが、日本はすべてこれを満たしているとも。「ユーザー目線」でしっかりとした観光資源の整備を行えば、日本は8400万人の外国人が訪れるフランスにも匹敵する観光大国になれるという。
観光客の口コミ評価上位は、外国語訳のサイトが充実
世界最大の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」が、2015年に発表した「外国人に人気の観光スポット2015」で上位の観光地のwebサイトを見てみると、4位の奈良県の東大寺や、7位の和歌山県の奥之院、8位の京都府のサムライ剣舞シアターなど、外国語訳のサイトが充実している点で共通しているようだ。
観光庁は、多言語による表示の改善・強化へ
観光庁の久保成人長官は、観光立国の実現へ向けた今後の取り組みについて、「玄関口である空港の機能を諸外国以上に強化する必要がある。外国人が快適・円滑に移動できるよう、多言語による表示の改善・強化を図る」と話す。
無料Wi―Fiの充実やクレジットカード利用のための仕組みを模索
また、各観光地の多言語ホームページだけでなく、無料Wi―Fiを使ってスマートフォンなどで自由に情報を検索できるようにしたり、外国人観光客にとって主流のクレジットカードについても「小さい店でもクレジットカードを使える簡易な仕組みを普及させたい」(久保氏)など、観光立国に向けて取り組みを始めている。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 619

Trending Articles