「日本軍が韓国人女性20万人を強制連行し、性奴隷にした」という韓国の主張は「ウソである」証拠をたくさんもっています。
しかし、この「圧倒的な証拠」を提示しても、しばしば「完全スルー」され、深く傷ついている。
「完全スルー」はなぜかというと、要するに、「事実より、政治的意図が優先されている」ということなのです。
>要するに政治的意図でより大きな声で常に叫んだほうが勝ち。日本はナイーブで物言わずともわかってくれるという国柄だからシナと韓国あと反捕鯨グループに対してのの情報戦ではいつも負けている。
トルコ「ISから石油密輸」を完全スルーする欧米の指導者たち
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いまや世界中の敵とされているイスラム国。アメリカは「正義の味方」として、先頭を切って攻撃を開始しています。しかし、イスラム国にとって一番のダメージは資金がなくなること。無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者である北野幸伯さんは、イスラム国がトルコに石油を密輸して資金を得ていることを知りながら、アメリカが「無視」していることを指摘しています。
プーチン、トルコとISの石油密輸関係を叫ぶが…
今回は、トルコの戦闘機がロシア軍機を撃墜した件の続報です。
「つづきもの」になりますので、以下二本、まだの方は是非ご一読ください。
ロシア側は、「撃墜事件」について、以下のような見方をしています。
1. トルコは、「イスラム国」(IS)から、石油を密輸している
2.ロシア軍がIS石油インフラへの空爆を開始し、石油の密輸が困難になってきている
3.トルコは、「石油密輸ルート」を守るために、ロシア軍機を撃墜した
事件直後からこのことを語っているプーチン。
ISによる「同時多発テロ」の記憶が生々しいフランスで、ロシアの見解を繰り返しました。
露軍機撃墜は「ISとの石油取引守るため」 プーチン氏がトルコ非難 AFP=時事 12月1日(火)7時19分配信【AFP=時事】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は11月30日、先週トルコが露軍機を撃墜したのは、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」からトルコへの石油供給ルートを守るためだったと述べ、トルコを非難した。プーチン大統領は、フランス・パリ(Paris)近郊で開幕した国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)第21回締約国会議(COP21)に出席する傍ら開いた記者会見で、「われわれの航空機を撃墜するという決断が、トルコ領内への石油供給ルートを保護したいという考えに基づいていたと考えるに足る、あらゆる理由がある。石油をタンカーに積み込む港に直結するルートだ」と言明した。さらに同大統領は、「遺憾なことに、ISなどのテロ組織が支配する地域で生産されたこの石油が、産業規模でトルコに輸送されていることを確認する追加情報も得ている」と述べた。
トルコは、ISからの「石油密輸ルート」を守るためにロシア機を撃墜したと。
これがロシア側の見方です。
ところで、「トルコがISから石油を密輸している」のは事実なのでしょうか?
読売新聞11月27日には、こうあります。
シリア北東部とイラク北部の「イスラム国」支配地域には多くの油田があり、石油密売は「イスラム国」の主要な資金源となっている。米財務省の推計では、石油密売の収入は毎月約4000万ドル(約50億円)。イラクの旧フセイン政権が、経済制裁をかいくぐって石油を密売し、この地域にトルコとの国境を挟んで石油密売を行うシステムが確立したとされる。
さらに、「欧米の情報当局もこのことを知っている」という情報もあります。
欧米情報当局「イスラム国がトルコに石油密売」読売新聞 11月28日(土)10時22分配信【パリ=石黒穣】イスラム過激派組織「イスラム国」から大量の石油がトルコに密輸されているとの見方は、欧米情報当局の間でも強い。米軍特殊部隊は今年5月、シリア東部で「イスラム国」の石油事業責任者を殺害した。英有力紙ガーディアンは、同部隊がその際押収した文書から、「トルコ当局者と『イスラム国』上層部の直接取引が明確になった」と伝えた。
なんと、「トルコ当局者」、つまり「トルコ政府」が直接密輸に関与していると。
これらの情報を見ると、「トンデモ系」とか「陰謀論」で片づけられないですね。
新聞記事は、エモーションが入っていないので、あまり私たちの心に響きませんが。
それでも皆さん、このことを冷静に考えてみてください。
- ISは、トルコへの石油輸出(密輸)で、年600億円稼いでいる
- ISは、その金を使って、ロシア旅客機を爆破し、パリ同時多発テロを起こした
これって、「ものすごいこと」ではないですか?
トルコがISの石油を買わなければ、ISは金がなくて、今のように強力ではいられないはずなのです。
プーチンは、「トルコはISの共犯だ!」と名指しで批判していますが、「密輸」が事実だとすれば、当然ですね。
しかし…。
「密輸問題」を完全にスルーする欧米指導者たち
冷静に考えればわかりますが、ISが強いのは、「金があるから」です。
ISを打倒しようとすれば、「資金源」を断つのが一番いい。
で、「一番の資金源は、石油だ」と、テレビでもいい、新聞、雑誌、「イスラム国」本にも書いてあります。
それなら、「ISは、どこに石油を売って利益を得ているのだろうか?」
これは、ISをつぶしたい欧米指導者たち、「最大の関心事」であるべきなのです。
ところが、欧米の指導者たちは、プーチンの指摘を「完全に無視」しています。
その理由ですが、私は、「知っていて黙認しているのでは?」と考えています。
もう一度、こちらの記事を。
欧米情報当局「イスラム国がトルコに石油密売」 読売新聞 11月28日(土)10時22分配信【パリ=石黒穣】イスラム過激派組織「イスラム国」から大量の石油がトルコに密輸されているとの見方は、欧米情報当局の間でも強い。米軍特殊部隊は今年5月、シリア東部で「イスラム国」の石油事業責任者を殺害した。英有力紙ガーディアンは、同部隊がその際押収した文書から、「トルコ当局者と『イスラム国』上層部の直接取引が明確になった」と伝えた。
欧米情報当局が知っていて、欧米のトップが知らないなどありえないでしょう?
「事実」より「政治」が優先される世界
では、なぜ欧米の指導者は、
- トルコがISから大量に石油を買っている
- ISはそれで潤い、テロを行っている
事実を意図的に無視するのでしょうか?
考えられる理由は二つです。
- トルコはNATO加盟国、つまり欧米の「同盟国」だから
- ISはテロもするが、同時にアサドとも戦う「都合のいい存在」だから
私は、「どっちもそうだろう」と思っています。
私たちは、「中ロは独裁国家で悪」と思っています。
そして、「欧米は、人権、民主主義を守る善なる存在」と信じています。
しかし、そういう信仰は、「ナイーブすぎる」ということですね。
わかりやすい例を。
日本人の大部分は、アメリカについて、
「反独裁で世界の民主化を推進している」
と信じています。
実際、アメリカは、イラクのフセインを倒し、リビアのカダフィを倒し、今はシリアのアサドと戦っている。
一方で私たちは、アメリカが、【絶対君主制】の人権侵害国家サウジアラビアと昵懇の関係であったことを知っています。
「あれ~~~、確かにサウジも独裁だよね~~~~??」
つまりアメリカにとって、「親米独裁者=善」であり、「反米独裁者(フセイン、アサド)=悪」ということなのです。
このことは、ナイーブで平和ボケしている私たち日本人に大きな教訓を与えてくれます。
私たちは、「日本軍が韓国人女性20万人を強制連行し、性奴隷にした」という韓国の主張は「ウソである」証拠をたくさんもっています。
例:米軍報告書1944年
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報告書はコチラ
しかし、この「圧倒的な証拠」を提示しても、しばしば「完全スルー」され、深く傷ついている。
「完全スルー」はなぜかというと、要するに、「事実より、政治的意図が優先されている」ということなのです。
「ISとトルコの石油密輸問題」も同じですね。
あるいは、米中が、「日本の世界征服計画書」=「田中メモリアル」を「偽書」と知りながら、大いに活用したのも、同じ構図。
だから、「情報戦」を戦う私たちは、「事実」も大事ですが、もっと上のレベル、「政策」「大戦略」のレベルで懐柔していく必要があるのです。
image by: Shutterstock
『ロシア政治経済ジャーナル』
著者/北野幸伯
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