まだ中世と変わらない。
人権などない。
それに比べたら日本のなんと素晴らしいことか。
“汚職官僚6万人”の中国でも前代未聞! 村ごと乗っ取った地方議員は、マフィアのボスだった!?
中国「全国人民代表大会」(日本の国会に相当)の下級機関、「市・県人民代表大会」の議員が“マフィアのボス”だったことが判明し、話題になっている。「新京報」(1月11日付)によると、山西省方山県の張志雄議員がマフィア組織を結成し、数々の犯罪行為に手を染めていたというのである。
張は、1989年に国営の中国人民銀行方山支店に就職。すると早速、地元マフィア組織「菜刀団」と手を結んだ。後ろ盾を得た彼は、支店長を恐喝・暴行し、銀行が提供していた駐車場や住居を私的に流用するなどの犯罪行為に手を染めるようになっていった。その後、同県のある村が株主として所有していた鉱山採掘会社の社長を恫喝し、この会社を乗っ取るなど、次第に地元の“顔役”になっていった。
張は以降、マフィアの手下を使って別の鉱山採掘会社の所有する鉱山を次々と非合法な手段で手に入れ、鉱山周囲の村の地下層に存在する鉱物・ボーキサイト採掘に乗り出した。その際、住宅21戸を無許可で取り壊したという。張の報復を恐れて、警察や行政に訴える村人は誰一人いなかった。
2010年になると、地元での影響力を背景に、同県第九期人民代表大会のメンバーに選出された。張はそれまでの悪行を隠すため、議員特権を利用し、厳しく村人たちの行動を監視。村の共産党委員のメンバーも、全員自らの腹心である部下たちで固めた。そんな中、警察当局と国土局は09年と11年に、安全上の問題から張の鉱山採掘会社に家宅捜索に入ろうとしたが、張の手下に邪魔されて何もできず、中止となっていたという。
習近平政権が誕生し、「反腐敗運動」が内陸部にまで浸透した14年12月、ようやく捜索が再開され、張と関係者27名が暴行・恐喝・恫喝・職権乱用など30以上の罪に問われて逮捕・起訴された。15年12月に起訴され、張が所有していた約8,500万元(約15億円)の資金と、数億円相当の不動産などが没収された。中国版Twitter「微博」では、この事件に多くのネットユーザーからコメントが寄せられている。
「ヤクザに乗っ取られた村か。映画化決定だな」
「こんなの氷山の一角! 腐った公務員や政治家は、あと数万人はいるぞ」
「人民代表大会という名前を、マフィア代表大会に変えるべき。裏社会とのつながりがないと、議員になれないんだろ」
中国の政治や社会問題に詳しい香港在住の日本人ジャーナリストは、今回の事件について次のように語る。
「中国政府は、15年に逮捕された汚職官僚・政治家の人数が約6万人に達したと発表しました。そのほとんどが贈収賄などの汚職か、愛人を囲っていたなど女性関係です。今回のように村ごと乗っ取り、暴力や脅迫で村人を支配していた事件は聞いたことがありません。村人たちはいまだに張を恐れていて、警察の捜査に対して被害を訴える人は出てきていないそうです。中国にはまだ4万以上の村があるので、今回のような悪政に苦しんでいるところはほかにも存在していると思います。内陸部に行けば、まだまだ“中世”のような環境なんです」
張が村に与えた一番の損害は、村人の心の傷かもしれない。
(文=青山大樹)