99年に彼女が亡くなったとき読売新聞には、彼女が家庭教師を務めた4年間で天皇陛下は大きな影響を受けたとする記事が載った。記事によれば、天皇陛下が伝統に反して子供たちを自らの手で育てると決めたことや、家柄に関係なく他者への尊重を重んじるようになったのは、彼女の影響によるものだったという。
外国人労働者の受け入れを恐れるな
今週のコラムニスト:レジス・アルノー
〔6月3日号掲載〕
日本政府は「外国人研修制度」を拡大することで労働力減少の穴埋めをしたい考えのようだ。企業などが外国から労働者を受け入れ、現場で実践的な技能を習得させることを国が支援する技能実習制度は、93年に導入された。そもそもは滞在中に日本の技術を伝え、自国で活用してもらうという国際貢献が目的だった。
しかし現実には、この制度は日本企業が立場の弱い労働者を獲得する手段に悪用されている。「(この制度を利用して来日した)外国人労働者は転職ができない。だから雇用主の言いなりになってしまう」と、ある弁護士は説明する。日本はこの不当な制度を改善し、外国人労働者にも日本人と同じ権利を与えるべきだ。そうすれば優秀な労働者が日本に残り、日本経済に貢献することにもつながる。
だが、日本政府の考えは違うようだ。4月の経済財政諮問会議・産業競争力会議で、田村憲久厚生労働相は育児・家事支援分野での外国人労働者の活用について、こう発言した。「子供たちの健全育成の観点から、人格形成という時期であることから、わが国の言語や文化を十分に理解されていない外国人の方々が携わるのは問題があるのではないか」
早い時期に外国人と触れ合う機会を持つのは、子供にとっていいことではないのか。富裕層の中には、子供のためにあえて外国人の家政婦を雇う人もいる。人口720万人の香港では約30万人の外国人家政婦が働いているが、1169人しか外国人家政婦がいない日本に比べて育児環境が劣悪だと言えるだろうか。
99年に彼女が亡くなったとき読売新聞には、彼女が家庭教師を務めた4年間で天皇陛下は大きな影響を受けたとする記事が載った。記事によれば、天皇陛下が伝統に反して子供たちを自らの手で育てると決めたことや、家柄に関係なく他者への尊重を重んじるようになったのは、彼女の影響によるものだったという。