たとえば日本とよく比較されるドイツは、戦後57回も憲法を改正しています。しかもドイツはNATO(北大西洋条約機構)に属していますが、ドイツはNATOの中で個別的自衛権の単独行使を禁じられており、集団的自衛権で国の安全を保っているのです。つまり集団的自衛権はドイツの軍事的暴走に歯止めをかけているのです。
>日本人は井の中のカワズ。ドイツ人のように柔軟な思考がどうしてできないのか。頭が悪いものが多すぎ。
戦後57回も憲法を改正しています~日本の馬鹿左翼とは大違い。
「集団的自衛権ってそもそも何なのよ?」 安全保障のエキスパートが素朴な疑問を解決します! 『日本人が知らない集団的自衛権』 (小川和久 著)
安倍政権は憲法解釈を変更し、「集団的自衛権」を認める閣議決定をおこないました。総選挙後の国会では、これが最大の焦点となる見込みです。しかし、政府の説明は難解でわかりにくく、理解できる人は少ないでしょう。新聞やテレビの報道もしかり。
そんな中、安全保障のエキスパートである小川和久さん(軍事アナリスト)が、中高生でもわかるQ&A方式のスタイルで、「集団的自衛権のそもそも論」を1冊の作品にまとめました。小川さんに素朴な疑問をぶつけてみましょう。
そんな中、安全保障のエキスパートである小川和久さん(軍事アナリスト)が、中高生でもわかるQ&A方式のスタイルで、「集団的自衛権のそもそも論」を1冊の作品にまとめました。小川さんに素朴な疑問をぶつけてみましょう。
『日本人が知らない集団的自衛権』 (小川和久 著)
――なぜ「集団的自衛権」の作品を作ろうと考えたのですか?
ひとつには、マスコミ報道に対する「怒り」です(笑)。
じつは集団的自衛権に関する新聞報道は誤報だらけです。読者が勉強しようと思って一生懸命新聞を読んでも、むしろミスリードされてしまうような記事が多いのです。テレビの討論番組も、防衛の現場を知らない“識者”を集めて「賛成か反対か?」を問うばかりで、一般の視聴者どころか私がみてもさっぱりわからない。
このままでは「そもそも集団的自衛権って何?」という根本のところが日本国民・有権者に正しく理解されないまま、私たちの国家の命運が左右されてしまうということになりかねません。これでは健全な民主主義ではありません。
そこで、軍事や安全保障のことを何も知らない読者でも、集団的自衛権について初歩から正しく理解できる作品をつくりたいと考えたのです。
本書の出発点はいたってシンプルです。
第1に、そもそも「国家の平和と安全をどう確保するのか」を考えること。
第2に、日本の防衛力の現状を直視すること。
たった2つのポイントですが、これはどんな国であっても、国を守るうえで欠かせない視点です。しかし、今の日本の集団的自衛権をめぐる議論では、この視点が決定的に欠けたまま進んでしまっているのです。
――軍事や安全保障というと、難解なイメージがあります。工夫したことはどんなことですか?
一般読者が疑問に感じやすいポイントを絞って、Q&A方式にしたことです。
「なぜいま集団的自衛権なのですか?」「そもそも集団的自衛権とはなんですか?」といった素朴な疑問を40項目集めました。
それに対する回答は、「高校生や意欲的な中学生が読んでもわかる」レベルとし、平易な文章で解説してあります。
たとえばこんな図表も豊富に入れて、「見てすぐわかる」イメージも大切にしました。
集団的自衛権のイメージ
――これはわかりやすいですね。安倍総理にこそ読んで勉強してほしいぐらいです(笑)。ところで、集団的自衛権の行使を認めることには、「自衛隊が海外で勝手に戦争を始めるんじゃないか?」「憲法解釈の変更って、危険なことなんじゃないか?」という心配もあります。本当に大丈夫なんですか?
「ジョージ・ワシントン」の後方を単縦陣で航行する海自護衛艦「しまかぜ」など日米艦艇(九州、沖縄周辺海域):朝雲新聞時事通信フォト・海上自衛隊
これも新聞報道などで誤ったイメージが定着してしまった例ですね。
じつは日本の自衛隊は、単独で戦争をおこなって他国を占領するような能力をもっていません。また、集団的自衛権によって、むしろ自衛隊の暴走に強力な歯止めをかけることにもなるのです。他国と協調しながら日本の安全を守る、というのが集団的自衛権の発想です。だから自衛隊だけが勝手なことをするわけにはいかなくなるのです。
憲法解釈の変更について、「平和憲法の放棄だ」といった批判がよくみられます。しかし、戦後約70年の歴史を冷静に振り返ると、日本政府は時代の流れの中で、憲法解釈を何度も変えてきているのです。朝鮮戦争、東西冷戦、ソ連崩壊など、国際情勢はめまぐるしく変わります。その時代背景に合わせて柔軟に憲法解釈を変えることは、むしろ当然なのです。
諸外国もそうしています。
たとえば日本とよく比較されるドイツは、戦後57回も憲法を改正しています。しかもドイツはNATO(北大西洋条約機構)に属していますが、ドイツはNATOの中で個別的自衛権の単独行使を禁じられており、集団的自衛権で国の安全を保っているのです。つまり集団的自衛権はドイツの軍事的暴走に歯止めをかけているのです。
これ以上詳しくは、本書を読んで一緒に勉強しましょう。
――それは驚きです。憲法を何度も改正して集団的自衛権の行使を認めているドイツが、「また侵略国家になった」とは言われませんよね。なのに日本では「これで日本は戦前に戻る」とか言われています。
とにかく、日本だけでしか通用しない議論はやめましょう。
かつての社会党のような「非武装中立国家で行くべきだ」といった極論はさておき、「集団的自衛権で、日本は戦争できる国家になる」「アメリカは日本を守ってくれないから、日米同盟を捨てて核武装しよう」などという現実を見ていない空理空論が流布しているのは、とても残念です。こうした論がいかに根拠のない馬鹿馬鹿しいものであるかも、本書では明らかにしています。
私たちの日本を守る手段は、私たち日本人自身が考えなければなりません。戦争をさせない政府をつくるのも、私たち自身。それが民主主義の理念です。
「自衛隊の歯止めがなくなる」などと大騒ぎする人たちは、そんなに自分たちの民主主義に自信がないのでしょうか。
「日本の民主主義」を考える上でも、本書を通じて集団的自衛権への理解を深めていただければと願っています。