反発を受けるのが怖いからだ。
靖国に行くことよりも重要なのに。
反日テロを生み出す「刑務所歴史館」に潜入…日本を恨み続ける韓国人の本気度
2015年11月23日、靖国神社のトイレで爆発音がした。現場にはデジタルタイマー、基盤、電池などが見つかった。犯人と目される、チョン・チャンハン(全昶漢)容疑者(27)は、日本に再来日して、建造物侵入容疑で逮捕された。再来日した際には、火薬や、タイマーなど、時限爆弾の材料だと思われる物を持っていたという。警視庁は火薬類取締法違反容疑などの適用も視野に捜査を進めている。
テロ行為に対する刑罰は優しくはない。今回捕まった容疑者も、罪が確定してしまえば、そう簡単にシャバには戻れないだろう。いつか、出られたとしても、不自由な生活が待っているはずだ。それほどのリスクを冒してまで、テロ行為をするというのは、心中にとても強い憎しみがあるに違いない。
西大門(ソデムン)刑務所歴史館は、韓国の首都、ソウルにある施設である。元々は、大日本帝国が建てた韓国初の近代刑務所であり、戦後、韓国が独立した後も、刑務所として利用されたが、1987年に移転し、役目を終えた。建物は史跡として指定され、1998年からは、「西大門刑務所歴史館」として一般公開されている。
僕が足を運んだのは、真冬の平日の昼間だったのだが、多くの人が見学にいて少々驚いた。もちろんディズニーランドのような混雑ではないが、次々に人が入ってくる。家族連れ、恋人同士などレジャーやデートで来ている人も多かった。わざわざ、デートでこんな辛気臭い場所を選ぶ気持ちはちょっと分からない。僕が見たところ、日本人は僕以外にいなかったが、睨まれたりはしなかった。
建物は100年以上前の建物とは思えないほど立派に健在していた。赤いレンガの建物がずらりと並び壮観だ。韓国には、日帝時代に建てられた建物がたくさん残っている。地震が少ないからなのか、空襲で焼けなかったからか、古い日本の建造物は、日本よりもたくさん残っているような気がする。中には「日本に恨みを持ち続けるため」というネガティブな理由なために、保存されている建物もあるという。
監獄に入っていた人たちの写真が、一面に何千枚も張り巡らされた部屋もあった。写真には、生年月日、名前、番号が書かれている。それとは別に死刑部屋があり、死刑にされた人たちの写真が黒い木の枠に入れられ展示してあった。天井からは首吊りのロープがかけられていて、とても暗いムードが漂っている。
全体を通して、日本に対する恨みで満ち満ちた博物館だった。僕は、日本人として、怒りや、悲しみよりも恐怖を感じた。不特定多数の人に恨まれているというのはとても怖い。実際に、ここの展示物を見て怒りを感じ、韓国の日本大使館に火炎瓶を投げ込んだ、韓国系の中国人もいたという。
- 村田らむ(むらたらむ)
- ライター・イラストレーター・漫画家。ホームレス、新興宗教、犯罪などをテーマにした体験、潜入取材を得意とする。近著に『禁断の現場に行ってきた!!』(鹿砦社