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熊本地震はまだ指定されていない「激甚災害指定」のメリットは何?

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激甚災害指定は「大変な災害でした」と内閣府が指定をしただけでは終わりません。指定をしたからには、復旧に向けた予算が組まれます。これは激甚災害法という法律で明記されていまして
発生した災害のうち、その規模が特に甚大であり国民生活に著しい影響を与えたものに対して、地方公共団体(都道府県・市町村)及び被災者に対する復興支援のために国が通常を超える特別の財政援助または助成を行う事を目的とした法律である
>過去この大地震よりはるかに少ない災害でも激甚災害に指定されたのにまだされてないというところに安倍内閣の危機管理能力というか国民を守る姿勢を疑う。
自民党支持者としても歯がゆい限りだ。
一つには大災害があれば消費税率引き上げができなくなる条件になるという目先の理由だという。


熊本地震はまだ指定されていない「激甚災害指定」のメリットは何?

4/14(木)に起きた熊本地震で現在も被災者の方は余震を気にしながら生活をしているかと思います。先ずはお見舞い申し上げます。
東日本大震災以前も以降もですが日本は自然災害の多い国だというのを改めて実感した方が多数いるでしょう。

自然災害から復旧するために色々な支援が必要なのはいうまでもありません。特に政府から復旧の補助金というのは財源が乏しい地方自治体にとってはありがたいでしょうし、そのお金で復旧が早く進むということもあります。その際に「激甚災害指定」をされているかいないかでかなり変わっていきます。

「激甚災害指定」とは何かをご紹介したいと思います。

激甚災害指定に指定された災害

先ずは「激甚災害指定」に指定された災害を見てみたいと思います。
・平成22年2月28日の津波 岩手県・宮城県
・梅雨前線岐阜県 広島県・佐賀県
・台風第9号 神奈川県・静岡県
・豪雨 鹿児島県
・東日本大震災 青森県・岩手県・宮城県・福島県・茨城県・栃木県・千葉県・新潟県・長野県
・台風6号 三重県・和歌山県・高知県
・平成23年7月新潟・福島豪雨 新潟県・福島県
・台風12号 三重県・奈良県・和歌山県
・台風15号 福島県・岐阜県・兵庫県
・梅雨前線・台風4号 福岡県・熊本県・大分県
・梅雨前線等・台風4号・台風7号 岩手県・山形県・島根県・山口県
・平成24年豪雨 島根県
・台風第18号 福井県・滋賀県・京都府
・台風第26号 東京都
・平成25年梅雨前線・台風8号 長野県・宮崎県
・台風11号・台風12号・前線による豪雨 北海道・京都府・兵庫県・大阪府・奈良県・広島県・徳島県・愛媛県・高知
・台風19号 兵庫県
・平成26年11月22日の地震 長野県
・梅雨前線・台風9号・台風11号・台風12号 熊本県
・台風15号 三重県
・台風18号等 宮城県・福島県・茨城県・栃木県

出典http://www.bousai.go.jp

熊本地震はまだ政府が激甚災害指定をしていませんが、昨日開かれた国会のTPP特別委員会で安倍首相が熊本地震を激甚災害指定にする方向と答弁しました。
安倍首相は18日午前、衆院環太平洋経済連携協定(TPP)特別委員会で、熊本県などを震源とする地震被害について、「激甚災害指定の方向に向けて決定したい」と述べ、早期の指定に前向きな考えを示した。


復旧・復興のための2016年度補正予算の編成についても「あらゆる手段を講じたい」と語り、検討する意向を示した。

出典http://www.yomiuri.co.jp

これで激甚災害指定されないということにはならないと思います。

激甚災害指定とは?

ここで取り上げている激甚災害指定とは何か?それをご紹介します。
地震や風雨などによる著しい災害のうち、被災地域や被災者に助成や財政援助を特に必要とするもの。激甚災害法(1962年成立)に基づいて政令で指定される。

全国規模で災害そのものを指定する「激甚災害指定基準による指定(本激)」と市町村単位で指定する「局地激甚災害指定基準による指定(局激)」の2種があり、中央防災会議が定めた「激甚災害指定基準」「局地激甚災害指定基準」に基づいて判断される。

出典https://kotobank.jp

政府が予算を組んで復旧の支援をしないといけないと判断した場合の自然災害のことを「激甚災害指定」と云います。今日まで熊本地震が激甚災害指定にされていなかったというのに驚きですが、指定するというのでこれは別に責めません。

激甚災害指定に指定される基準というのがありまして、それは
激甚災害の指定には、

① 全国的に大きな被害をもたらした災害を指定する場合(いわゆる本激)と

② 局地的な災害によって大きな復旧費用が必要になった市町村を指定する場合(いわゆる局激)の二つがあり、さらに①の本激には、

A. 全国的に大規模な災害が生じた場合の基準(本激A基準)と

B. Aの災害ほど大規模でなくとも、特定の都道府県の区域に大きな被害がもたらされた場合の基準(本激B基準)があります

出典http://www.bousai.go.jp

この様に内閣府のHPに記載があります。その基準は
1)本激A基準

本激Aの指定基準は、全国の査定見込額が全国の地方公共団体の標準税収入の一定割合を超えることを要件

2)本激B基準
本激B基準は、次の2つの要件を満たす必要があります。
第1の要件は、全国の査定見込額が全国の地方公共団体の標準税収入の一定割合を超えること

A基準、B基準を合わせて、おおむね1年に1回の本激の指定が可能

出典http://www.bousai.go.jp

災害の被害状況がこれらの基準を超えると激甚災害指定をされまして、内閣府にある中央防災会議が決定をします。余談ですが、熊本地震で熊本県は激甚災害指定をして欲しいと要望をしていました。
安倍総理大臣は、自民党の谷垣幹事長らと総理大臣官邸で会談し、熊本県が要請している早期の激甚災害への指定について速やかに対応したいという考えを示しました。

谷垣氏は、復旧にかかる自治体の費用を政府が支援する「激甚災害」への早期の指定を熊本県が要請していることも踏まえ、「できるだけ早期に指定するよう、党としてもお願いしたい」と要望

出典http://www3.nhk.or.jp

これを踏まえて、安倍首相は昨日の国会でも激甚災害指定にする方向と答弁をしたのでしょう。

「激甚災害指定」のメリットは?

激甚災害指定は「大変な災害でした」と内閣府が指定をしただけでは終わりません。指定をしたからには、復旧に向けた予算が組まれます。これは激甚災害法という法律で明記されていまして
発生した災害のうち、その規模が特に甚大であり国民生活に著しい影響を与えたものに対して、地方公共団体(都道府県・市町村)及び被災者に対する復興支援のために国が通常を超える特別の財政援助または助成を行う事を目的とした法律である

出典https://ja.wikipedia.org

つまり政府が「特別な予算措置」をしないと復旧できないというお墨付きを与えるもので、与えたからには補正予算や補助金で被災地域に復旧予算を組まなくてはなりません。
過去の激甚災害指定の状況はこういった状況にになっています。
数が多いので今年発表されたものだけをご紹介します。

平成 27 年に発生した梅雨前線(台風第9号、第 11 号及び第 12 号を含む)及び台風第 18 号等による災害については、全国を対象とする激甚災害に指定されているところですが、本政令により、それぞれの指定政令を改正し、公共土木施設の災害復旧事業等に関する特別措置が適用される市町村を追加指定します。

(1)公共土木施設災害復旧事業等に関する特別の財政援助(激甚法第3条及び第4条)
公共土木施設の災害復旧事業等について、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法等の根拠法令等に基づく通常の国庫補助率を嵩上げします。(過去5カ年の実績の平均では公共土木施設等は 69%→83%に嵩上げ)

(2)農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置(激甚法第5条)
農地、農道や水路などの農業用施設及び林道の災害復旧事業等について、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律等に基づく通常の国庫補助率を嵩上げします。(過去5カ年の実績の平均では農地等は 84%→93%に嵩上げ)

(3)小災害債に係る元利償還金の基準財政需要額への算入等(激甚法第 24 条)
公共土木施設や農地等に係る災害復旧事業で、国庫補助の対象とならない小規模な災害復旧に充てるため発行について同意又は許可を得た地方債に係る元利償還金を基準財政需要額に算入します。

出典http://www.bousai.go.jp

これは昨年激甚災害指定された大雨と台風18号で激甚災害指定された地域への予算措置に関する発表です。

東日本大震災についての激甚災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令の一部を改正する政令

東日本大震災により被害を受けた中小企業者に関する特別の助成として講じている、中小企業信用保険法による災害関係保証の特例措置(激甚法第 12 条)について、被災中小企業事業者の資金需要が引き続き見込まれることから、適用期間を1年間(平成29 年3月 31 日まで)延長しようとするものです。

中小企業信用保険法による災害関係保証の特例(激甚法第 12 条)激甚災害の被害を受けた中小企業者に対し、中小企業信用保険の保険限度額の別枠化等を行います。

出典http://www.bousai.go.jp

これは東日本大震災の激甚災害指定による復旧支援の延長措置に関する発表です。
激甚災害指定をされますと自治体による復旧事業への国の補助率が通常の7~8割程度から8~9割程度まで引き上げられることになります。

熊本地震はまだ指定されていませんが、指定されますと国からの予算措置がされて復旧予算を確保することができます。政府がその方向でやると言っていますので、早い指定を望みます。

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