第一に福島の方が放射線量が50倍から200倍程度大きいこと、第二に広島・長崎でも1万人から10万人程度の被害を出しているという現実から見ると、あまりにも事実を無視した話しだ。
>広島・長崎と福島原発では全く違うということ。
これも理解していないものがまだ原発を推進しようとしている。
2011年に福島原発事故が起こった直後、「広島・長崎でもたいした事は無かったのだから、原発が爆発しても驚くことはない」という話しが専門家でも言う人がいたので、急いで否定しておいたが、それからかなり時間がたっても、まだ、そのようなことを言う専門家がいる。
1) 原発はウランの量が膨大
広島の原爆に使われたウランは約60キログラム、それに対して福島原発のような100万キロ級の原発一基あたりのウランの量は約100トン(100000キログラム)。量から言えば約1700倍。
原発はウラン235が3%ぐらいで、原爆は90%だから、ウラン235だけが核分裂して放射性物質を出すとして(厳密に言うとウラン238も反応するが)、約60倍。
広島の原爆に使われたウランは約60キログラム、それに対して福島原発のような100万キロ級の原発一基あたりのウランの量は約100トン(100000キログラム)。量から言えば約1700倍。
原発はウラン235が3%ぐらいで、原爆は90%だから、ウラン235だけが核分裂して放射性物質を出すとして(厳密に言うとウラン238も反応するが)、約60倍。
2) 放射性物質量は200倍
このように原爆は「小さくて爆発力が大きい」もので、原発は「大きくて放射線量は大きい」という特徴があり、2011年当時、私が急いで計算したときには広島原爆に比べて福島原発事故では200倍ぐらいだった。
このように原爆は「小さくて爆発力が大きい」もので、原発は「大きくて放射線量は大きい」という特徴があり、2011年当時、私が急いで計算したときには広島原爆に比べて福島原発事故では200倍ぐらいだった。
3) 瞬間的と長期的の差
原爆は瞬間的に少ない放射性物質がでるので、強く被曝した人は熱線で死んでしまうので、「熱線や爆風で無くならなかった人で、被曝した人が原爆症になる」ということ。それに比べて福島のような場合は、健康被害は被曝に限定される。
(注)チェルノブイリの死者は、事故処理のために死刑囚を使って事故が起こった原子炉に突撃させ、約半分が死んだが、日本ではそれほど荒っぽいことはしていない。
原爆は瞬間的に少ない放射性物質がでるので、強く被曝した人は熱線で死んでしまうので、「熱線や爆風で無くならなかった人で、被曝した人が原爆症になる」ということ。それに比べて福島のような場合は、健康被害は被曝に限定される。
(注)チェルノブイリの死者は、事故処理のために死刑囚を使って事故が起こった原子炉に突撃させ、約半分が死んだが、日本ではそれほど荒っぽいことはしていない。
4) 広島・長崎での被曝者数と原爆症認定患者数
広島・長崎の被爆者手帳を持っている人は25万人。原爆症認定患者数は最近に認定された人を合わせて1万人弱で、認定には不満が多い。政治的なことを別にすると、広島・長崎の被曝による健康被害は最低でも1万人はいると考えられる。
別の論文では原爆による間接的な影響も含めてガン患者は11万人との報告もある。
広島・長崎の被爆者手帳を持っている人は25万人。原爆症認定患者数は最近に認定された人を合わせて1万人弱で、認定には不満が多い。政治的なことを別にすると、広島・長崎の被曝による健康被害は最低でも1万人はいると考えられる。
別の論文では原爆による間接的な影響も含めてガン患者は11万人との報告もある。
従って、「広島・長崎で被曝してもたいした事はなかったから、福島でも大したことはない」というのは、第一に福島の方が放射線量が50倍から200倍程度大きいこと、第二に広島・長崎でも1万人から10万人程度の被害を出しているという現実から見ると、あまりにも事実を無視した話しだ。
それより、私は長い学問的検討を経て、「日本人を被曝から守るには、1年1ミリシーベルト以内」と決めた法令を守るというのが、緊急時にあらゆる検討に先立って、日本人が被曝した人に対して認めなければならないことと思う。
(平成25年8月15日)