私が今まで出会ってきた人の中に、中年以降にカラダを鍛えはじめてトライアスロンやフルマラソンに挑戦する人が動脈硬化を起こしたり、がんや糖尿病になったりしています。
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激しい運動は「がん」などの病気を招く!METs(メッツ)を使って運動をしよう
公開日 : 2017年3月17日 / 更新日 : 2017年3月18日
管理栄養士のタイゾーです。
「健康のために運動をしようと思ってるけど、どんな運動をしたらいいんだろう?」
「ダイエットのために運動してるけど、今やってる事が合ってるのかな?」
このページはそんな運動への疑問を持つ方へ向けて作成しています。
私達が健康でいるためには「食事」「運動」「休養」の3つのバランスが重要です。
中でも運動は脂肪を燃焼して肥満を防いだり、免疫力を上げて様々な病気を予防するといった健康効果があります。
ただ、運動をする人の中には
「運動は、やればやるほど良い」
なんて思っている人もいるのではないでしょうか。
確かに運動は健康を維持するために必ず必要なことですが、度を過ぎた激しい運動は逆に健康を害する可能性があります。
ではカラダにとって効果的な運動ってどんなものでしょう。
そこで利用してもらいたいのが今回紹介する「METs(メッツ)」という指標です。
詳しくは後述しますが、このMETsを参考にすることで、病気の予防やダイエットに効果的な運動をすることが可能になります。
順番に解説していきますので、病気の予防やダイエットに運動している人や、これから運動をしようと思っている人はぜひ参考にして下さい。
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なぜ激しい運動がいけないのか
一般的には、運動をする人は健康な人が多いイメージがあります。
しかし、私が今まで出会ってきた人の中に、中年以降にカラダを鍛えはじめてトライアスロンやフルマラソンに挑戦する人が動脈硬化を起こしたり、がんや糖尿病になったりしています。
なぜこんな事が起きるのでしょう。
実は、その人にとって強度の高すぎる運動はストレスとなってカラダを破壊してしまうのです。
強度の高い運動も若い頃であれば問題にはなりません。
しかし、中年以降に行ってしまうと体へのストレスとなって「活性酸素」という物質を大量発生させることになります。
しかし、中年以降に行ってしまうと体へのストレスとなって「活性酸素」という物質を大量発生させることになります。
この「活性酸素」こそカラダを破壊し、病気の引き金となる物質です。
活性酸素とは本来は細菌などの「外敵」からカラダを守るために働いてくれています。
こう聞くと「いいやつじゃん」と思うかもしれません。もちろんけっして本来は悪者ではありません。
しかし、体内で過剰に発生すると悪影響を及ぼすのです。
しかし、体内で過剰に発生すると悪影響を及ぼすのです。
活性酸素が大量に発生すると、私達の正常な細胞を傷つけて破壊するようになります。
私達のカラダは60兆もの「細胞」で作られてますから、細胞が破壊されていった場合、様々な悪影響を及ぼしてしまいます。
活性酸素が招く病気のひとつが「がん」です。
細胞を傷つけることによって、細胞のがん化がおこりやすくなってしまいます。
細胞を傷つけることによって、細胞のがん化がおこりやすくなってしまいます。
また細胞が破壊されていくと血管の老化も進み「動脈硬化」など様々な病気につながってしまいます。
どれだけカラダを鍛えて見た目が良くなっても病気になったら意味がありませんよね。
つまり強度が高く、激しい運動はしない方が良いということです。
「じゃあ、具体的にどいう運動をしたらいいの?」
そう思いますよね。
高齢者と運動に関する研究をしている、東京都健康長寿医療センター研究所の青柳幸利博士によれば「日常生活の中に、中強程度の運動を取り入れることが大切である」と結論づけられています。
中強程度の運動を取り入れることによって、カラダを壊さずに運動の健康効果を得ることができるとしています。
さあ、ここで問題なのが「中強度の運動って何?」ということです。
中強度の運動と言われても何をすればいいのかわかりませんよね。
そんな時に使って欲しいのが「METs(メッツ)」というものです。
METsを知ることによって中強度の運動がどのようなものかがわかります。
METsを知ることによって中強度の運動がどのようなものかがわかります。
つぎにMETsについて解説していきます。
METs(メッツ)とは
※以下メッツで表記
「メッツなんて聞いた事もない」という人もいるでしょう。
メッツとは、身体活動と運動の強度を表す国際的な指数です。
カラダを安静にしている時のエネルギー消費を基準値の「1」として、家事などの生活行動やランニング・ウォーキングといった運動がどのくらいのエネルギーを消費するかを数値で表したものです。
つまりメッツ数値は安静時の1がもっとも運動強度が低く、数値が増えていけばいくほど激しい(強度が高い)運動であることをしめしています。
3~5メッツの運動をしよう
先に紹介したように運動は中強度が良いとされています。
青柳博士は中強度をメッツで表すと「3~6.9」にあたるとしています。
メッツを知っているひとからすれば、「3~5は幅が広いな」と感じるかもしれません。
ただ、これは人によって年齢や体格、体力が違ってくるためです。
例えば、筋トレなどのウエイトトレーニングは3~3.5メッツに設定されています。
しかし同じトレーニングでも、20代と60代では年齢によって、ツラさの感じ方が違うと思いませんか?
ただ、これは人によって年齢や体格、体力が違ってくるためです。
例えば、筋トレなどのウエイトトレーニングは3~3.5メッツに設定されています。
しかし同じトレーニングでも、20代と60代では年齢によって、ツラさの感じ方が違うと思いませんか?
つまり、年齢によって中強度のメッツ量は変わることになると思って下さい。
そこで次に年齢別のおススメのメッツ量をご紹介しておきます。
そこで次に年齢別のおススメのメッツ量をご紹介しておきます。
60代以上 → 3~5メッツ
40~50代 → 4~6メッツ
20~30代 → 5~7メッツ
40~50代 → 4~6メッツ
20~30代 → 5~7メッツ
これを基準にして運動を選ぶようにすると良いでしょう。
では自分のメッツ数に合った運動を選ぶために、つぎに各運動とメッツ数をご紹介します。
3メッツ以上の運動
3~3.5 | ウエイトトレーニング、ピラティス、釣り、ボウリング |
3.6~4 | 卓球、バレーボール、やや早歩き、太極拳 |
4.1~4.5 | ゴルフ、バドミントン |
4.6~5.0 | ソフトボール、カヤック、シュノーケリング |
5.1~5.5 | スケート、乗馬、ジムでの運動、アクアビクス |
5.6~6.0 | ジョギング(10分未満)と歩行の組み合わせ、ロッククライミング |
6.1~6.5 | バスケットボール、美容体操、エアロビクス |
6.6~7.0 | スキー、ジョギング、テニス、サッカー、水泳 |
3メッツ以上の生活行動
3~3.5 | 自転車通勤、階段上り下り、台所仕事、庭の草むしり、モップ掛け、子供と遊ぶ |
3.6~4 | 洗濯干し、動物と遊ぶ、ガーデニング、床拭き、風呂掃除、介護(入浴介護など) |
4.1~4.5 | 農作物や花を植える、丸太切る、カーペットを敷く、フェンス洗浄、苗木の植盆栽 |
4.6~5.0 | 部屋の片付け、雨戸を設置、家の外壁塗装、軽い荷物の持ち運び |
5.1~5.5 | 雪かき、子供と活発に遊ぶ、芝刈り |
5.6~6.0 | 家具の移動、屋根拭き、大工仕事、畑や庭をたがやす |
※厚生労働省「身体活動のエクササイズ数表」を基に作成
早足をまぜたウォーキングが一番おススメ
各運動のメッツ数をご紹介しましたが、「どれをやったらいいかな~」と迷う方のためにおススメの方法をご紹介します。
それは「早足をまぜたウォーキング」です。
ジョギングなどの有酸素運動は、脂肪燃焼効果や心肺機能の向上に有効な運動です。
しかし、やり過ぎると心臓や血管などの負担になり、ストレスが加わり続けることになります。
しかし、やり過ぎると心臓や血管などの負担になり、ストレスが加わり続けることになります。
そこで試してほしいのがジョギングとウォーキングの良い所取りをした「早足をまぜたウォーキング」です。
やり方は簡単で、20分を目安に早歩きと普通の歩行を織り交ぜるだけです。
自分が早歩きと思うスピードを意識して歩き、疲れたなと感じたら普通の歩くスピードに切り替えて下さい。
これを行うことで強度と軽度の負荷が組み合わさり、丁度良い中強度の運動が可能になります。
これを行うことで強度と軽度の負荷が組み合わさり、丁度良い中強度の運動が可能になります。
健康のために運動をするなら、ぜひ取り入れてみて下さい。
激しい運動は逆効果、免疫力を上げ健康になるには?
激しい運動はNK活性を落とす
NK活性が落ちる要因の1つには、加齢もある。50~60代になるとNK活性が下がってきて、発がん率が上がり、ウイルス感染にも弱くなる。
生活リズムもNK活性に関係する。NK活性には1日周期のリズムがあって、昼は高くて夜は低い。その周期が乱れると、NK活性は下がってしまう。海外旅行で時差ボケになると風邪をひきやすいのは、そのためだ。なるべく徹夜などはしないで、規則正しい生活をしよう。もし、どうしても徹夜を避けられないときには、前後に無理しないようにして、体調を整えよう。20代くらいの若者ならもともとNK活性が高いので、少々の無茶をしてもなんとかなるが、40代を過ぎたら、気をつけたほうがいい。
激しい運動によるストレスも、NK活性を下げる。運動中にいったん上がるが、終わるとストンと下がる。そのため、激しい運動を毎日続けるトップアスリートは、よく風邪をひく。ロンドンオリンピック金メダリストの吉田沙保里選手や銅メダルをとった女子バレーボールチームは、激しいトレーニングによるNK活性低下を防ぐために、先に紹介したR-1乳酸菌を使ったヨーグルトを飲んでいた。
ただ、まったく運動しないというのもよくない。軽い運動をすると、まったくやらないときよりもNK活性が上がる。NK活性を上げるためには、ゆるやかな運動が一番だ。
ゆっくり走るだけで、フルマラソンだって走れる
激しい運動がNK活性を下げると聞いて、「せっかく健康のためにジョギングを始めたのに、大丈夫なの?」と心配になった人のために、運動の専門家の意見を聞いてみよう。
福岡大学スポーツ科学部運動生理学研究室教授の田中宏暁氏によれば、健康や体力づくりが目的なら、息を切らして走る必要はまったくないという。ただ、普通の体力の人にとって、ぶらぶら歩くだけでは運動としては弱すぎる。お勧めは、息が切れず、ニコニコ笑顔を保てる速さで走るスロージョギングだ。
田中氏らは、血液中に乳酸が増えず、息が切れず笑顔を保てる速度をニコニコペースと呼んで、長年にわたってその効果を研究してきた。その結果、ニコニコペースで走ると、どんどん体力がつき、血圧も血糖値も下がって内臓脂肪が燃える、いいことずくめだということが、わかってきている。
しかもニコニコペースで走るだけで、フルマラソンも完走できるし、記録も上がる。そもそもフルマラソンは、息が切れないぎりぎりの速度で走る競技だ。息を切らして走ったのでは、42.195kmを走り続けることは不可能だ。オリンピック選手は時速20kmでフルマラソンを走るが、彼らはその速度でも、しゃべったり笑顔を作ったりできる。一般人は体力がないから、同じニコニコペースでも、ずっとゆっくりになるだけだ。
長年運動不足だった中高年なら、最初は歩くよりもゆっくりと時速4~5km(12分~15分/km)くらいの速さで始めよう。それで全然息切れしなければ、少しずつペースを上げていけばいい。トレーニングを続けていれば自然に速くなり、時速7~8kmでニコニコしながら何時間も走り続けられるようになる。そうなれば、6~7時間で楽々フルマラソンを完走できる。
もともとの体力やトレーニング量にもよるが、もっと速く走れるようにだってなる。田中氏は40代からニコニコペースでトレーニングを続けた結果、50歳時にフルマラソンで2時間38分48秒を記録した。スロージョギングは、体力にそこそこ自信がある人にもお勧めできる安全で効果的な走法だ。
歩幅を小さくすれば、楽にゆっくり走れる
そんな田中氏が推奨するスロージョギングのコツを知っておこう。
まず、自分にあった速度で走るためには、歩幅を思いっきり狭くすること。歩幅が広いまま動作をゆっくりするのでは、不安定でうまく走れない。その場で足踏みするくらいのつもりでちょこちょこ走れば、楽にゆっくり走ることができる。足を動かす速さはむしろ速めに、1分間に180~200歩くらいがお勧めだ。
次にかかとではなく、足の前の方(フォアフット)で着地すること。これは、つま先立ちで走るということではなく、足の指の付け根あたりが最初に地面につけばいい。あまりむずかしく考えることはない。裸足になってその場でジャンプしてみれば、自然に指の付け根あたりで着地するはずだ。小刻みな歩幅でそのまま前に進めば、フォアフット着地で走ることになる。
アメリカのリーバーマンらの研究では、アフリカで裸足で走る子どもたちは、みんなフォアフットで着地している。靴に慣れた都会人はかかとから着地するようになったために、脚にかかる衝撃が大きくなり、故障をするようになった。かかと着地では、例え衝撃吸収力がすぐれたシューズを履いても、フォアフット着地の3倍の衝撃が脚にかかるという。フォアフット着地であれば、アキレス腱がバネになって衝撃を吸収するので、膝などへの負担はぐんと減る。
あとは、姿勢をまっすぐにして、あごは上げ気味に、視線は遠方を見ながら、前に進んでいくだけだ。腕は軽くわきにつける程度で、それほど気にすることはない。
運動習慣がある人はがんになりにくいことは、さまざまな研究で明らかになっている。景色を眺めながらのんびり走るのは、ストレス解消にもいい。むずかしいことは考えず、気楽に走ることを楽しもう。