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離婚を2度した“下流中年”の悲惨な日々…住宅ローン、養育費、借金返済で月額20万円超の出費

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中年の貧困化が止まらない。格差社会日本の現状。

離婚を2度した“下流中年”の悲惨な日々…住宅ローン、養育費、借金返済で月額20万円超の出費

中年の貧困化が止まらない。インフレなどで相対的な給与は減り続け、転職やリストラなどで非正規雇用への転落リスクも高まる40代。その先に待っているのは、社会的孤立という名の危機的状況だ。さまざまな要因で漂流する下流中年のリアルを追った!

毎月の支払いは20万円超。3LDKの持ち家に1人で住むバツ2中年

――谷川修二さん(仮名・41歳)/音楽プロダクション/年収390万円

孤独 音楽業界で働く谷川修二さんは、2度の離婚によって下流中年化してしまった一人だ。9年前に最初の妻との間に第1子を授かり、東京郊外に3LDKのマンションを購入。手がけるバンドもメジャー進出し順風満帆に見えたが、平穏な生活はそう長くは続かなかった。

「業績も伸ばしスタッフも増えたのですが、バンドが事務所を独立。そのバンドで成り立っていた会社ですから当然減給。次のブレイクアーティストを発掘しなければという重圧と、仕事で家に帰れない生活が続き、家庭は崩壊しました」

 離婚後、週の半分も帰らないマンションの住宅ローン9万円と養育費3万円を払い続ける生活。さらに、頻繁にある仕事関係の飲み会は、会社が傾いたことで全て自腹に。消費者金融からの借金は60万円を超えた。心機一転、6年前に中堅音楽プロダクションに転職し、2年前に再婚。再起を確信したが、不幸のセカンドインパクトが容赦なく彼を襲った。

「お互いバツイチだったので、再婚する際に“もし好きな人ができたら言おうね”なんて話してたんです。再婚からわずか8か月後、彼女から好きな人ができたと告白されました」

 そして離婚届と一緒に差し出されたのは、一枚の念書だった。

「これまで妻に買ってもらった衣服などの品目と金額がこと細かく記されていて、計150万円を支払う念書にサインしろと。別に自分からせがんで買ってもらったわけではないのですが……」

 結局、毎月4万円ずつ分割で支払うことになった谷川さん。住宅ローン、養育費、消費者金融への返済なども合わせると月額20万円超の出費が重くのしかかる。

「趣味で収集していたレコード1000枚も売りました。ごく稀にある休日をマンションで一人缶ビールを飲みながら過ごしていると、涙が出そうになりますね」

 不運な離婚は、確実に下流中年を増殖させるのだ。

公務員の妻との年収格差で“家庭内孤立”した44歳・夫の嘆き「娘は口さえ利いてくれない」

日刊SPA! / 2017年9月17日 8時56分
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※写真はイメージです

中年の貧困化が止まらない。インフレなどで相対的な給与は減り続け、転職やリストラなどで非正規雇用への転落リスクも高まる40代。その先に待っているのは、社会的孤立という名の危機的状況だ。さまざまな要因で漂流する下流中年のリアルを追った!

◆妻との年収格差から父親としての威厳なし

――林 耕一さん(仮名・44歳)/フリーの広告マン/年収350万円

 フリーの広告代理業を営む林耕一さんは「家庭に居場所がない」と嘆く。その背景にあるのは、妻との年収格差だ。

「私が就職活動をしていた’95年は超氷河期。どこからも内定をもらえず、仕方なく公務員を目指したんですが、それもダメでした。結局、広告マンの真似事をしながら、今まで生計を立ててきたけど、月に24万円を稼ぐのが精いっぱい。しかもフリーなので、不安定なんですよね。広告マンって聞こえはいいですけど、要は中年フリーターですから。それに比べ、公務員予備校で知り合った妻は、市役所の係長なので、年収は約800万円。よく『1人でも生きていける』と言われます」

 できちゃった婚の林さんは、結婚時に年収が発覚して以来、妻を含めた妻側の親族から冷たい仕打ちを受けているという。

「妻の両親、妹からは私の低収入を白眼視されています。たまに妻の実家に遊びに行ってもお茶ひとつ出してもらえません。結婚を機に転職しようとしたんですが、すでに30歳だったので、どこも雇ってもらえませんでしたね」

 この年収格差から結婚生活はうまくいっているとはお世辞にも言えず、10年以上セックスレスの状態が続く。家事の一切を父親である林さんが担当。11歳になる娘は最近、口さえ利いてくれない。

「朝夕は妻と娘が食べた後、こっそり一人、残り物を食べてます。いつ離婚をされるか脅える毎日です。月1万円のお小遣いと仕事でたまにもらうサービス券を金券ショップで換金し、安い風俗で憂さを晴らす。これが唯一の生き甲斐です」

 取材後、「夕飯の買い出しに行かなければ」と喫茶店を出る林さんの後ろ姿はどこか寂しげだった。

※写真はイメージです

― 下流中年の危機 ―



年収192万円、未婚、借金ありの39歳・男性派遣社員に未来はあるのか?

安倍首相は「相対的貧困率は大きく改善した」と語ってはいるが、確実に増え続ける生活困窮者。日本の未来にはいったい何が待っているのか?

駅から徒歩30分のボロアパートに住む、年収192万円・39歳の派遣社員


貧困の未来「買い溜めしたパスタにはもう飽きた。週2回、すき家に行けるぐらいの年収……せめて300万円は欲しいです」と控えめな未来予想図を語るのは千葉県在住で、小さなデザイン会社に派遣社員として勤務する田中良和さん(仮名・39歳)。現在の月収は16万円だ。

「以前はフリーのデザイナーをやっていたんですが、不景気で仕事が激減。そのときつくった借金300万円を抱え、東京の都心部から逃げるように引っ越し。今は松戸駅から徒歩30分の家賃5万円のボロアパートに住んでいます」

 借金を返済しながらの生活に余裕などなく、遊興費はゼロ。休日に家から出て遊ぶこともなくなり、友人も離れていった。

「家近くの公園にスケボーをする場所があったので、お金のかからない遊びとして始めました。でも、3か月後に骨折しちゃって、医療費が7000円。三食パスタで当分過ごさざるを得ませんでした」

 結婚願望はあるが、彼女いない歴は5年。田中さんは「年収が上がるまでは結婚も我慢」と話すが、最近、転機が訪れたという。

「かつての仕事仲間から誘われ、アダルト制作会社の正社員待遇で雇ってもらえることになったんです。本当に嬉しかった! でも、往復1160円もかかる交通費が研修期間中は支給されなくて……。40歳手前にして、キセルが脳裏をチラつく自分が嫌になりますね」


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