1
NHKは正気か?クロ現+に「ビットコイン詐欺」疑惑の中心メンバーが出演=山岡俊介
NHKが人気番組で「ビットコイン」について取り上げたところ、放送直後から「なぜ、あんな詐欺師らを取り上げるんだ!」との多数の抗議電話が寄せられたようだ。(『アクセスジャーナル・メルマガ版』山岡俊介)
※本記事は有料メルマガ『アクセスジャーナル・メルマガ版』2017年 9月4日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:山岡俊介(やまおか しゅんすけ)
1959年生まれ、愛媛県出身。神奈川大学法学部卒。零細編集プロダクションに2年半在籍し、29歳で独立。91年『週刊大衆』の専属記者を務めながら『噂の真相』『財界展望』などを中心に記事執筆。主な著書に『誰も書かなかったアムウェイ』『アムウェイ商法を告発する』(以上、あっぷる出版社)、『銀バエ実録武富士盗聴事件』(創出版)、『福島第一原発潜入記 高濃度汚染現場と作業員の真実』(双葉社)など。
1959年生まれ、愛媛県出身。神奈川大学法学部卒。零細編集プロダクションに2年半在籍し、29歳で独立。91年『週刊大衆』の専属記者を務めながら『噂の真相』『財界展望』などを中心に記事執筆。主な著書に『誰も書かなかったアムウェイ』『アムウェイ商法を告発する』(以上、あっぷる出版社)、『銀バエ実録武富士盗聴事件』(創出版)、『福島第一原発潜入記 高濃度汚染現場と作業員の真実』(双葉社)など。
NHKが詐欺グループを“箔付け” 被害者は警察に相談、民事訴訟も
人気番組で「仮想通貨バブル」を特集
NHKの人気番組『クローズアップ現代+』(毎週月~木曜、午後10時~午後10時25分まで)は7月31日、「“仮想通貨バブル”未来のお金の行方は?」とのタイトルで、仮想通貨の代表格であるビットコインについて取り上げた。
その番組の冒頭、今年7月16日、大阪府内で100グラム3000円の高級和牛でバーベキューを楽しむ若者集団を登場させた。そして、そのメンバーの中の20代男性が大きく顔出しし、「(残高は)3400万円ですね。びっくり、自分でもびっくり」と発言。続けて、30代男性が同様に顔出しし、「最初買った時よりも、20倍程度に資産は膨らんでいます」と発言。
この2人らは、ビットコインをかなり早い段階で購入したお陰で、ビットコインの価格が高騰した結果、金持ちになり、高級和牛パーティーをやっていると、NHKはビットコインバブルの恩恵を受けた象徴的な面々ということで彼らに登場してもらったのだろう。
ところが、この番組放送直後から、「なぜ、あんな詐欺師らを取り上げるんだ!」とのかなりの抗議電話がNHKに寄せられたようだ。
抗議電話をしたI氏の証言
自身も電話したというI氏が証言する。
「私は『u-mind space』という組織的詐欺としか思えないネット上の投資話に引っかかり、約20万円を騙し取られました。約160万円投資した方もいます。その組織的詐欺で集めた総額は、わずか3カ月で12億円以上になると思います。
大きく顔出ししていた20代、30代の2人は、この米国に拠点を置く会社(実際はバーチャルオフィスと後に判明)が儲かる――なぜなら、まだ日本で最初に会員登録した自分ら6名しか知らない情報で間違いない――と、インターネット上のSNSで一斉に流した内の2人なんです」
このSNSで一斉に流したのは、今年3月23日のこと。
I氏はそれを信じ、前出30代男性に案内されたURLにアクセスし、指定された約20万円(2000ドル)に当たるビットコインを送金し、u-mindの会員に登録したという。
ということは、この2人がビットコインで儲けたというのは、単にビットコインの価格が上がったからではなく、詐取した結果との疑惑が。
もちろん、NHKはそんなことを知らないから登場させたのだろうが、この映像がさらなる詐欺話の信用付けに悪用されている可能性もある。I氏らが、抗議するのも無理もないだろう。
投資話の内容
I氏によれば、クローズアップ現代に登場していた20代の方は、SNSでは「南大樹」、30代の方は「脇田洋平」を名乗っていたという。そして脇田氏の方は本紙でも既報の「D9」「SENER」についても盛んに宣伝していたという(6人の中の1番の中心は「山田唯」なる者とのこと)。
u-mindは、この6人のSNSによる概要では米国のショッピングモールへの投資案件で、その売上げの1%を1口2000ドルの投資家に無条件で分配。さらに同社が上場する際には500株式を譲渡されて株主になれる、最大日給300万ドルもあり得るなどと謳っていた。
そんな上手すぎる話に乗ること自体が安易とも思うが、I氏によれば、この6人はu-mindの前に1口1万円から投資できる別の案件を複数宣伝。I氏はそれに1万円投資(u-mind同様、ビットコインを購入し送金するシステム)し、実際、倍になったことから信じてしまったという。
これは彼らの戦略で、まずは小さい“撒きエサ”をし、その上でu-mindに引き込んだのか。
問題だらけの詐欺商品
「先の概要説明の際は一般募集公開前だから詳細は公開されていないと。ともかく儲けたいなら早く2000ドル払えと。そして登録してみると、実はマルチ商法だったこと、マルチ商法に義務づけられている資料の未交付、クーリングオフの説明なし、毎月100ドル払わないといけない、新規入会者を勧誘しないと収入にならないことなど、不実の告知、誇大宣伝など数々の問題があることがわかったんです」(I氏)
現在、「被害者の会」ができており、民事訴訟を検討中。また、警察にはすでに相談中とのことだ。